「スカウトメール」は単なるDMの可能性大
転職者に求人広告を見てもらおうと、ただのDMに「スカウト」とタイトルをつけて送るケースも多いのです。こうした場合、実際にはスカウトでも何でもない一斉求人メールなので、返事を書いたり応募したりしても、他の人より採用が有利に進むというわけではありません。
こうした実情は、複数の求人サイトに登録して1カ月も経てばわかってくるのですが、初めての転職活動で、求人サイトに登録した直後だったりすると、喜んで飛びついてしまいがちです。その結果、不採用になって「有利なはずなのに受からなかった」とひどく落ち込んだり、よくわからないまま入社したらブラック企業だったりと、結果として失敗につながってしてしまうこともしばしば。
ですから、スカウトメールはあくまで転職情報のひとつとして、冷静に見てほしいと思います。自分一人にではなく登録者全員に送られているのだという認識で、自分がやりたい仕事かどうか、本当に行きたい企業かどうかなど、内容をじっくり精査してください。
転職エージェントの「本気度」はこう見抜く
ただ、こうしたメールの中にも、まれに「本気スカウト」が入っている場合があります。
見抜くポイントは、エージェント側が、あなたに時間を割く気があるかどうか。「相手企業と交渉するから他のエージェントに行かずに待ってほしい」「(日時を提示して)一度お会いしたい」などと言ってきたら、本気度が高いと言えるでしょう。
自ら時間を割いて具体的に動こうとしているわけですから、この場合は転職が他者より有利に進む可能性が高いと思います。多少でもその企業に興味があるのなら、一度会って話を聞いてみることをおすすめします。
ちなみに「会いたいと思っているが、まずは書類を送ってください」は脈ナシと考えたほうがいいでしょう。本気でスカウトしたいなら無条件で、かつできる限り早く会おうとするはずです。この点は文面をしっかり読み取っていただきたいと思います。
また、「希望に合う求人があれば連絡します」も、本気スカウトには入りません。こうした言葉は「希望に合う求人はありません」と断っているのと同じで、実際に連絡がくる可能性は限りなく低いと言えます。自分は需要に合わなかったのだと割り切って、連絡を待つことなく次の社に応募してほしいと思います。
とは言え、転職エージェントは、企業に適した人材を紹介することで利益を得ているわけですから、優秀な人材がいればぜひ自分が担当したいと考えています。エージェント同士の競争も年々激しくなっているので、目当ての人材がいれば積極的にスカウトするようになっています。ただ、そうした本気スカウトの対象になる人はほんのひと握り。