ファイザーのワクチンは1バイアル5回分であるが余分に入っており、この分量を州や会社と協議して使用することができたこともあり10%ほど余剰に確保できたこと、職員の協力もあり接種は順調に進み、1月半ばにはほぼ全ての職員が接種対象となった。
注意事項として、接種後10人に1人ぐらい比較的強い副反応が出ることが予想され、1日ほど欠勤の可能性があるので、接種希望の職員を部署ごとに把握し、各人の接種時期をずらすことを勧められた。
副反応への万全の備え
予約はこのために開発されたアプリにて行った。
治験では報告されていなかったが、一般接種が先行していたイギリスなどから適切に対処しないと落命の可能性のある重度のアレルギー反応であるアナフィラキシーが報告されていた。そのため、mRNAワクチンまたはその成分、特にポリエチレングリコール(PEG)に重度のアレルギー反応を示した人への接種は禁忌とされている。
その他の薬剤アレルギーの既往は、十分な対策をして30分の観察をするということで接種可能である。自分のウェーブを確認し、アレルギー問診がありクリアすると時間枠が表示され、選択して完了する。
女性の場合、妊娠している可能性があるか、授乳中かということも聞かれる。妊婦への安全性は確立されていないため、個人でリスクとベネフィットを判断して接種することとなっている。
「接種そのものは一瞬で終了した」
私自身は2021年1月26日に接種を受けた。職員の接種会場は病院正門の横にあるポールラッセル医学博物館の2階で、1日500人弱が接種できる。ソーシャルディスタンスを保つため、15分以上前の到着は禁止されていた。
到着すると、まずブースに案内され、看護師からファイザーのワクチンを接種するが同意するかどうか尋ねられた。MGHでは、当時モデルナとファイザーの2種類が提供されていたが、上に述べた調整の困難さから接種者の希望は受け入れられない。
同意すると、コロナウイルス感染の症状がないか、今まで注射薬にアレルギーを示したことがないか、またPEGなどにアレルギーがないかを確認された。どちらの腕を希望するか聞かれ、上腕の三角筋に筋肉注射を受けた。