「壁打ち」をやらない日本企業
こんにちは、桶谷功です。
突然ですが、「壁打ち」という言葉をご存じでしょうか。もともとはテニスの球を壁に向かって打つ練習のことですが、最近は「自分の考えを試しに人に話して、その反応をみる」という意味でもよく使われるようになりました。
この「壁打ち」は外資系企業ではよく行われているのですが、なぜか日本の企業ではあまり行われていないようです。
例えば同じ飲料メーカーであっても、「お茶」と「水」と「ジュース」では、それぞれブランドごとにマーケティングの担当者が別にいる。それぞれみんな黙々と仕事をしていて、途中経過がシェアされません。もちろん最終的なプランの実行段階では統合されますが、日常的に気楽に壁打ちをしている感じはあまりない。これは非常にもったいないことだと思います。
1ブランドを複数人で担当する大改革
少し前のニュースですが、元キリンビバレッジ社長の佐藤章さんが湖池屋に社長として招かれました。そこで佐藤さんはある改革をした。それまで湖池屋では一人の社員が一つのブランドだけを担当していたのですが、一人が同時に複数のブランドを担当するようにしたのです。つまり一つのブランドにつき担当者を複数置くようにした。
そうなると、担当者は必ず誰かと話をすることになります。自然と壁打ちが生じるように組織の体制を工夫したわけですね。これはとてもよいやり方だと思います。