実行すると不幸になる行動

でも、「本当はこれらのことを実行すると、あなたの人生での幸福度が下がる、つまりは不幸になることが科学的に判明しています」なんて言われたら?

「そんなはずはない!」とイラッとするかもしれません。

いや、もしかしたらあなたは、自分の意志をしっかり持ち、自分の幸せを実現できる“特別な人”かもしれません。

あなたがそんな特別な人かどうかを診断できる質問がありますので、あなたの答えを教えてください。

さあ、用意はいいですか?

【図表】あなたは自分が選択した箱を変えますか?
イラスト=湯朝かりん
※星 渉、前野隆司『99.9%は幸せの素人』(KADOKAWA)より

【質問】
・ここにA、B、C、3つの箱があります。
・1つの箱の中には賞金100万円が入っています。100万円が入っている箱を見事に当てることができれば、賞金はあなたのものです。
・あなたは仮にCの箱を選んだとしましょう。
・どの箱が正解かを知っている司会者は、ハズレであるAの箱を開けて「Aはハズレである」ことをあなたに示しました。
・残ったのはBの箱と、あなたが選んだCの箱。どちらかに賞金100万円が入っています。
・ここで司会者があなたに「今なら、CからBに変えてもいいですよ」と言ってきました。
・さて、あなたは選択する箱をBに変えますか?

あなたの答えは?

9割の人が誤った決断をする

「自分にとってプラスになる選択=当たる確率が高い選択」とするのであれば、この質問に対しての答えは、「変える」が、あなたにメリットのある選択です。「変える」を選択した場合は、「変えない」という選択に比べて、100万円が当たる確率は2倍に跳ね上がります。「そんなバカな」と思いますよね。私がこれと同じように行った実験でも、9割の人が「自分の選択を変えない」と答えました。

星 渉、前野隆司『99.9%は幸せの素人』(KADOKAWA)

「残された箱は2つだから、Bに変えてもCのままでも確率は1/2。それなら初志貫徹で、最初から自分で選んだCのままにしよう。うん、変えない!」

ほとんどの人たちがそう思ったのでしょう。

・2つのうちから1つ選ぶ時の確率は「どんな時も1/2」である
・意見が「ブレない」が大切だ

あなたはこれらを「正しい」と思い込んでいたのではないですか? そのせいで、まんまと賞金100万円を逃す確率が高い選択をしてしまったわけです。Bに変えたほうが当たる確率は2倍も高くなるのに……。