過熱相場時にはどんな行動を取るべきか

現在、バブルが弾ける前の過熱相場の症状は見事に揃っている。2020年8月の相場などはまさに典型的なものだった。しかし、過熱相場はまだ序の口でこれから続くと思っている。

今のような過熱相場時に一つよい投資があるとしたら、コール・オプションの「売り」がいいだろう。なぜならソフトバンクの孫正義氏のような人たちが価格に関係なくコール・オプションを大量に買っているため、価格が上昇し過ぎるからだ。

割高なコール・オプションを売れば、大方は儲かるだろう。ある調査で「オプションを買う人の多くは損を被る」との結果が出た。オプションを買うには、プレミアムを支払う必要があるし、オプションが行使されるまでの時間が限られていることが原因だ。

ソフトバンクがアメリカ株のコール・オプションを買ったことについては、スキャンダルというより「ただ無能」と言った方がいい。報道されているトレードを実際に行っているのであれば、非常に馬鹿げた投資で、バブル時によく見られることだ。

バブルで価格が上昇する中で焦って買うと、大抵のケースで大損を被ることになり、孫氏も例外ではない。ソフトバンクは未上場・上場企業にかかわらず、至るところで無能な投資をしているように見える。

1999〜2000年には私もこのコール・オプションの売りで相当儲かった。いつも成功するという訳ではないことは考慮に入れてほしいが、ブル(強気)相場でコールを売れば、儲かる可能性があることは知ってほしい。何にせよ、私たちは、コロナによって加速した世界の過熱相場にもう少しつきあう必要がありそうだ。

ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)
投資家

ロジャーズホールディングス会長。1942年、米国生まれ。イェール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、ウォール街で働く。73年にクォンタム・ファンドを設立し、ヘッジファンドという手法にて莫大な資金を運用して財を成した。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。『大転換の時代』(プレジデント社)、『世界大異変』(東洋経済新報社)など著書多数。