経済評論家の山崎元さんに、今後の世界を知るための本を10冊選んでもらいました。投資やキャリアアップにぜひ役立ててください。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』『ピーター・リンチの株で勝つ[新版]』『RADICAL MARKETS 脱・私有財産の世紀』『21 Lessons』『マンガーの投資術』

マーケットと投資理論を総合的に学べるベストセラー

ウォール街のランダム・ウォーカー
バートン・マルキール著、井出正介訳●日本経済新聞出版社

インデックス投資のバイブルであると同時に、マーケットと投資理論の歴史を総合的に学ぶことができるマネー本の世界的ベストセラーだ。継続的に改訂版が出ている点も素晴らしく、現在の翻訳は原著第12版だ。特に、株式市場の歴史を解説した第1部が優れている。厳密には誤りではないかと思われる箇所もあるのだが、総合的に読み応えと情報量はこの本が随一だろう。お金の運用に取り組む人は、まず読んでおきたい一冊だ。

趣味として個別株投資に取り組む人が読むべき古典

ピーター・リンチの株で勝つ[新版]
ピーター・リンチほか著、三原淳雄/土屋安衛訳●ダイヤモンド社

フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ社でマゼラン・ファンドの運用を成功させたファンドマネジャーである著者が書いた、株式投資の指南書。アマチュア投資家であっても、日々の生活の中から投資のヒントを見つけられるはずだと説く。趣味として個別株投資に取り組む人が、まず読んでみるべき古典だ。「株式投資をやってみたい!」と思う人が増えてくれるといい。個人的には、銘柄選択のヒントは豊富だが、分散投資の方法をもう少し解説すべきだと思う。