働き方改革や女性活用に取り組むワーク・ライフバランスは、新型コロナウイルスの感染が急拡大し始めた今年3月から緊急事態宣言が解除される5月までの間の、霞が関の官僚たちの働き方について調査を行った。霞が関のテレワークを阻んでいたものは何か、デジタル化が進んでいた省庁の成功要因は何か、同社代表の小室淑恵さんに聞いた。

「コロナはイヤだけど、ママが家にいてうれしい」

ワーク・ライフバランス代表の小室淑恵さん
ワーク・ライフバランス代表の小室淑恵さん(同社提供)

8月にリリースした「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査」の結果には、大きな反響がありました。調べた私たちですらがくぜんとするような、中央官庁や国会議員の、デジタル化の大幅な遅れを表すデータが集まりました。

回答を寄せてくれた若手官僚480人のうち、女性は約30%でした。国家公務員の採用者に占める女性の割合は36%ですが、今回の調査は官僚の中でも、国会対応が多い部署を中心に行っていますから、女性の割合は36%よりも低いと思います。そう考えると、回答者の約30%を女性が占めていたというのは、霞が関で働く女性のこのテーマへの関心の高さと熱い思いが表れているように思います。

ある省庁の40代女性の、「(リモートワークになり)そろってご飯を食べた娘に『コロナはイヤだけど、ママが家にいてくれるからうれしかった』と言われた」というエピソードには、私たちも涙が出そうになりました。

「テレワークになったおかげで、保育園にお迎えに行くことができた」というコメントも複数ありました。今までは残業が多くてなかなか自分で迎えに行けなかった方々でしょうか。「普段からテレワークができたらいい」という声は、男女双方から多数寄せられました。