岐阜県瑞浪市にあるタイル釉薬メーカー「玉川釉薬」。創業家の4人姉妹のうち、次女の尋子さんは釉薬職人、三女の幸枝さんは広報や新規事業と、役割分担しながら家業を支えている。2人が思い描くものづくりの未来とは──。
玉川釉薬の釉薬職人の姉・尋子さん(左)と、広報や新規事業を担当する幸枝さん
玉川釉薬の釉薬職人の姉・尋子さん(左)と、広報や新規事業を担当する幸枝さん(写真提供=玉川釉薬)

家業を生かした新規事業に挑戦

大学生の時に父親の頼みで、最初はイヤイヤながら家業に入った2人。姉の尋子さんは出産や育児、妹の幸枝さんはビジネスの勉強のため一時は仕事を離れたが、現在は再び力を合わせて家業を盛り立てている。

幸枝さんは家業を離れていた時期に、東京で「合同会社プロトビ」を起業。実家のある岐阜県の魅力を発信し、まちづくりに貢献すると同時に、ものづくりを行う中小企業の事業展開を支える活動も行ってきた。

その後、クラウドファンディングを募ってオーダーメイドタイルブランド「TILEmade(タイルメイド)」を設立。新規事業のプロデューサーとして、家業を支えるため再び玉川釉薬に戻ってきた。

「釉薬工場では、タイルメーカーの要望に合わせてサンプルを何種類もつくるんですが、カタログに載らないまま消えていく商品も少なくありません。ずっと『もったいないな、何とか世に出せないかな』と思っていました」(幸枝さん)