売り上げ急落の窮地で生まれたヒット商品
「『こんな時期によく考えたわね』と言われて、すごく満足感がありました」
A.Y.Judieの代表取締役会長の土屋順子さんはそう話す。彼女は、新型コロナの猛威により世間が劇的なマスク不足に陥る中、布等を固定できるアイデア商品「なんでもマスク」を製品化し、大ヒットを生んだ会社の創業者だ。
同社は、母親の土屋順子さんが会長、娘の香南子さんが社長という親子2代が経営する雑貨メーカーだ。
今年3月には週末の外出自粛期間中、雑貨メーカーである同社の売り上げはどんどんと落ちていった。4月からどうしたらいいかと親子で企画会議を重ねて生まれたのが、「なんでもマスク」だった。
「なんでもマスク」はツイッターで爆発的に拡散し、「どこで買えるのか」と問い合わせが殺到。4月から8月までの期間で、7万個を売り上げる大ヒット商品となった。
こうしたヒット商品を生み出すほどのパワーを持つ同社だが、ここに至るには母・順子さんの“自分探しの旅”があった。