「なんでもマスク」の大ヒットで話題になっているA.Y.Judieの創業者、土屋順子さん。若い頃は人の夢をサポートすることに徹していたと言う。そんな土屋さんが50歳にして今度こそ自分の夢にチャレンジしようと思えたきっかけとは――。

売り上げ急落の窮地で生まれたヒット商品

「『こんな時期によく考えたわね』と言われて、すごく満足感がありました」

A.Y.Judieの代表取締役会長の土屋順子さんはそう話す。彼女は、新型コロナの猛威により世間が劇的なマスク不足に陥る中、布等を固定できるアイデア商品「なんでもマスク」を製品化し、大ヒットを生んだ会社の創業者だ。

A.Y.Judie 代表取締役会長 兼 デザイナー 土屋順子さん
A.Y.Judie 代表取締役会長 兼 デザイナー 土屋順子さん(写真提供=本人)

同社は、母親の土屋順子さんが会長、娘の香南子さんが社長という親子2代が経営する雑貨メーカーだ。

今年3月には週末の外出自粛期間中、雑貨メーカーである同社の売り上げはどんどんと落ちていった。4月からどうしたらいいかと親子で企画会議を重ねて生まれたのが、「なんでもマスク」だった。

「なんでもマスク」はツイッターで爆発的に拡散し、「どこで買えるのか」と問い合わせが殺到。4月から8月までの期間で、7万個を売り上げる大ヒット商品となった。

こうしたヒット商品を生み出すほどのパワーを持つ同社だが、ここに至るには母・順子さんの“自分探しの旅”があった。