職員の意識が高く保たれているその理由とは

——御社のSDGs活動がどれも長く続いていることで、サステナブルの精神が受け継がれていると感じますが、どのようにして職員の士気を高めているのでしょうか?

【宮崎さん】入社時にSDGsに関する研修があったり、役員向けに勉強会を開催したりしているのはもちろんなのですが、やはり全国に“ニッセイの森”があることが大きいのかもしれません。役員・職員・OB・OGの半数以上が自発的に募金をしていること、さらに役員・職員7万人のうち年に一度は社会貢献活動をしようといった取り組みが、2015年度の開始以降5年連続で100%の活動実施を達成しています。どこかひとごとになりがちなSDGsの取り組みですが、会社全体で森を大切にしている意識が浸透していることで、職員一人ひとりにとってとても身近なものに感じるのかもしれませんね。

——皆さんとても意識が高いですよね。その理由はなんでしょう?

【宮崎さん】生命保険の特性である「万が一のときにみんなで助け合おう」という精神と、持続可能な未来をつくるための目標であるSDGsは、考え方に共通項が多いのではないでしょうか。もちろん弊社がさまざまな取り組みを始めた当初はサステナブルやSDGsといった単語は飛び交っていませんでしたが、昨今の意識の高まりにより、さらに弊社の動きも加速したと感じています。

——SDGsの取り組みにおいて、今後の展望や目標を教えてください。

【宮崎さん】まずは、職員全体にもっと満遍なくSDGsやサステナブルについて理解してもらうことです。おしなべて意識が高い職員が多いとはいえ、やはり関わる仕事の内容によってはまだまだ知らないことも多く、それぞれの活動の中に浸透させることが大事だと感じます。さらには私たち自身が理解を深めることで、SDGsがどんな形でお客様に関心をもってもらえるのかを考える必要がありますね。そして、もしも私たちの行動を見ていただくことで、お客様の毎日が心地よく変わるアクションを広げていけたら――こんなに嬉しいことはありません。これまでのように地域社会と共生していく中で、今までの延長ではなく、イノベーションを考え、多様化するニーズに迅速にこたえていけるように。これまでよりももっとジャンプアップするために、丁寧な努力を重ねていきたいですね。

SDGsを積極的に推し進めるだけではなく、独自のネットワークを活用してそれを伝え、社会に広く貢献してゆく。社会的責任を健やかにまっとうし続けるニッセイの取り組みに、これからも注目していきたい。

乙部 アン(おとべ・あん)
フリーエディター/執筆家

新ファッションウェブマガジン「LIV,」女性ファッション誌のフリーエディターをしながら執筆家としても活動、いくつかの連載を掛け持ちする。アメブロやnoteなどのブログでは、大人の女性に役立つファッション・仕事・サステナブル・ライフスタイル・独自の人生哲学を発信。