就職氷河期世代で補欠合格。出世欲なんてなかった
「逆境が好き。いつも逆境に飢えているんです」
生き生きとした表情でそう語る斎藤智子さんは44歳にしてファンケルのグループ会社である化粧品会社、アテニアの社長に就任。1974年のベビーブームの中で生まれ、就職氷河期にファンケルの新卒採用6期生として就職した。ところが、実は補欠合格だったのだという。
「会社説明会に行って『なんていい会社なんだろう』と思い、運命的なものを感じたけれど、最終面接で落ちてしまって……。でも、補欠合格の連絡が来ました。だから今、うちの若いスタッフたちにも『そんな私でも社長になれたんだから、みんなもなれるよ』という話をしているんです」
アテニアに移籍してからは商品企画部で10年以上のキャリアを積む。化粧水など基礎ケアの主力商品を何度かリニューアルし、達成感を得た頃、会社では中国で海外事業を立ち上げる話が出てきた。