和田郁未さんは、大学卒業以来ずっとセールス畑を歩んできた“営業女子”。2013年にベンチャー企業「Talknote(トークノート)」へ転職し、わずか5年後に営業担当取締役に昇格した。この間に出した成果とは、そしてとりわけつらかった失敗とは──。
和田郁未さん
写真提供=Talknote株式会社

リスクの高い転職に周囲は猛反対

Talknoteは2010年設立のベンチャー企業。同名の社内コミュニケーションツールの開発・提供で知られ、設立から10年で導入企業数1000社以上と着実に業績を伸ばしてきた。

和田郁未さんは、この成長をけん引してきた古株メンバーの一人だ。2013年、それまで勤めていた大手リース会社を退職し、社員数がまだ5人だった同社に入社。安定した大企業から先のわからないスタートアップ企業への転職とあって、家族にも友達にも猛反対されたという。

「前の会社では、自分の仕事が世の中の誰の何に役立っているのか実感が持ちづらく、成長可能性の限界を感じ、モヤモヤした気持ちで仕事をしていたんです。そんな時にTalknoteの小池(小池温男社長)に出会って、そのビジョンにワクワクしちゃって(笑)。転職を反対されて悩みましたが、このままでいたら何も変わらないと思って決断しました」

当時、和田さんはリース会社の法人営業担当で、小池社長はその顧客の一人。リース審査のための面談で起業の経緯やビジョンを聞くうちに意気投合し、やがて小池社長から「法人営業ができる人を探している」と声をかけられた。

迷った末の転職だったが、今では自分にはベンチャーのほうが向いていると実感しているそう。最大の魅力は、自分と組織の変化や成長を肌で感じられるところ。「入社して初めて、私はこういう仕事がしたかったんだと気づいた」と振り返る。