「~ねばならない」は呪縛。呪縛から解き放されて自由に
私が迷ったとき、母に相談すると言われるのが「いいんじゃない。あなたは何かをやろうと思えばできる人だから」という言葉。事業を引き継ぐことを打診されたときもそう。具体的なアドバイスではありませんが、母が「大丈夫」と言うのなら、絶対に大丈夫と信じられるんです。これは子どものときから、今もそう。母は私の絶対的な味方ですからね。
愛情は量よりも質。時間ではかるものではありません。子どもを預けることに罪悪感を持つ人がいらっしゃいますが、子どもを預ける環境にこだわれば、いい影響を与えられるものです。幸せの軸は自分の中にあります。「~ねばならない」ではなく、「あなたはどうしたいのか?」を考えてほしいのです。家族の数だけその答えはあるので、それぞれのゴールをめざしてほしいですね。
構成=江藤誌惠 撮影=国府田利光
1976年生まれ。東京都出身。12歳より英国に単身留学。ロンドン大学卒業後の98年、メリルリンチ・インターナショナルのロンドン支店入社。その後、デビアスなどを経て2012年帰国。同年ポピンズ取締役、18年代表取締役社長に就任。フランスINSEADでMBA取得。