いつだってキレイにしていたほうがいいでしょう?

クリスマスの思い出を書いた『母と子のChristmas Eve』という曲があります。子どもの頃、私はサンタクロースが贈り物を届けてくれると信じていました。友だちは違うと言うので、証拠を見せたくて、7歳のクリスマスイブにサンタへ手紙を書いたのです。すると返事をもらえたのですが、明らかに癖のある母の文字とわかり(笑)。その後も信じるふりをしていたけれど、3年後、母は今まで嘘をついていたと、サンタの正体を告白したのです。

音楽との出合いは3歳のとき、隣家のお姉さんがオルガンを習っていて、初めて鍵盤にふれたのが始まりだった。家に帰って、オルガンが欲しいと頼むと、母はピアノを買ってくれた。母も近所の子どもたちにピアノを教えていたことがあり、いろんな曲を弾いてくれた。幼い愛理さんもメロディーを覚えては弾くようになった。
音楽との出合いは3歳のとき、隣家のお姉さんがオルガンを習っていて、初めて鍵盤にふれたのが始まりだった。家に帰って、オルガンが欲しいと頼むと、母はピアノを買ってくれた。母も近所の子どもたちにピアノを教えていたことがあり、いろんな曲を弾いてくれた。

家庭での母といえば、亭主関白な父に黙って従い、忙しく立ち働いている姿。そんな母の意外な一面を知ったのは中学生のときでした。

開業医の父を手伝う母は先にクリニックから家へ戻り、夕食の支度をします。やがて父から電話があると、母は化粧鏡を卓袱ちゃぶ台にのせて、おしろいを頬にはたき、口紅を塗るんです。毎日見ていて不思議に思い、「お母さん、なんで夜にお化粧するの?」と聞くと、「お父さんが帰ってくるから」と言うのです。私が笑うと、母は「いつだってキレイにしていたほうがいいでしょう?」と。その言葉は鮮烈で、母に“女”を感じました。