「考える技術」は人生を楽しくする

「最近、なんかつまらないんだ。仕事をしていてもワクワクすることがなくなってきて……」

柿内尚文『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』(かんき出版)
柿内尚文『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』(かんき出版)

友人からそんな相談を受けました。彼の話をよく聞いてみると、こういうことでした。

「仕事はうまくいっているんだけど、長年同じことをやってきているので飽きてきた。でもいま自分がなにをしたいかはよくわからない。だから、なんとなく仕事をこなしている日々を送っている。どうやっていまの状況を変えればいいのかわからない……」

彼のような優秀な人間がこんな思いで生きているなんて、ほんともったいない。原因はどうも「思考のクセ」にありそうです。人間の脳は、習慣化された方向、慣れ親しんだ方向へと思考を導きやすくできています。

人生は1回きりです。つまらない人生はもったいないですよね。どうせなら楽しく、幸せな人生を送りたい。

でも、なかなかそうはいかないものです。

阻害するのはなんなのでしょうか? 環境? 能力? 意思?

最大の要因は「思考のクセ」です。

たとえば、「自分には大切な家族がいるから、好きなことはできない」。これは行動できない理由の上位によく出てきます。

これ、本当でしょうか?

これは「考える技術」がない人あるあるの「2択思考」です。でも、「考える技術」をマスターすると、頭の中では全く違う思考プロセスを起こすことも可能です。

考える技術がない人の思考
・「家族がいる」→「家族を養わないといけない」→「嫌な仕事でも辞めずにやる」
・「好きなことで食っていける人は特別な人」→「自分にはそんな能力はない」→「自分には無理」
考える技術がある人の思考
・「家族がいる」→「家族には、嫌々ではなく自分が楽しく生きている姿を見せたい」→「それを見て家族も喜んでくれる」
・「好きなことで食っていける人は幸せな人」→「自分も幸せな人の仲間入りしたい」→「どうしたら好きなことで食っていけるか考えてみよう」

次は「どうしたら好きなことで食っていけるか」を「考える技術」にあてはめます。なにをするかが見えてきたら、あとは行動するだけです。