管理職は「責任が重そう」「部下がいると大変」と、昇進を打診されても尻込みする女性は多いもの。この思い込みこそ、自分の可能性を狭めるアンコンシャス・バイアスかもしれないのです。
無意識の偏見に悩む女性
イラスト=井内 愛、以下すべて同じ

時代が変わっても人の心に根強く残るバイアス

アンコンシャス・バイアスとは、誰もが持つ“無意識の偏見”のこと。広い意味では、私たちが常識だと思っていること、世の中の価値観として通じていること、つまり“社会常識”や“社会通念”も含みます。すなわち社会という“枠”の中で、うまく調整して折り合いをつけていきましょうという、この枠自体がバイアスなんですね。

戦後の高度成長期において枠は、ある意味、秩序でした。しかし20世紀の終わりになって、みんな同じではないという世界が初めて生まれました。細分化された価値観が重要であるという大きな転換期が来て、枠は守ってくれるものでもあるけれど、締めつけでもあることにみんな気づき始めたのです。