売りものは何? 名刺で表現しよう

せっかく事業を起こしても、仕事がとれないのではないかと心配する人がいます。そう、個人事業主として、しっかりと仕事をとるためには“尖らせる”ことが大切です。

私自身も個人事業の事務をお願いしている大木さんは、企業で事務職をしていた経験を活かし、小規模事業主の事務作業を受注しています。大木さんの肩書は「事務番長」。周りの人が名付けたニックネームだそうですが、これがとても尖っていて効いています。事務番長と聞いただけで、すごく事務が得意で、面倒な事務を一手に引き受けてくれるというイメージがすぐにわきます。

自分の売りを外部に示すためには、SNSで宣伝するのはもちろん、名刺をつくること。名刺というのは、自分の商売を表現するツールです。サラリーマンの名刺を副業に流用するのは、ご法度です。

せっかく事業を起こしても、なかなか仕事がとれないのは、それが何屋さんかよくわからないから。こちらとしては、ちゃんと売ってくれたら買ったのに、ということがよくあります。ですから名刺には、自分が何を提供するのか、自分の売りものをしっかりと表現しましょう。

副業のひとつの目標は本業の収入を超えることです。それができる人とできない人の違いは「最初の狙い」です。本業を超えている人は、最初から本業を超えると確信を持てるものにしか手を出していません。

とりあえず時間が空いたのでアルバイトしよう、ギグワークしようというのでは、本業を超えたとしても一時的なものになってしまうでしょう。「とりあえず」ではなく、「長く」「一生涯」と考えて、副業を始めた人だけが、生涯現役の選択肢を手に入れられるのです。

今回のテーマである「副業」をもっと詳しくお知りになりたい方は、『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)をぜひお読みください。

構成=池田純子 写真=iStock.com

俣野 成敏(またの・なるとし)
ビジネス書著者/投資家/ビジネスオーナー

30歳の時にリストラに遭遇。同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の中で現役最年少の役員に抜擢、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資家としても活動。投資にはマネーリテラシーの向上が不可欠と感じ、その啓蒙活動にも尽力している。自著著書に『プロフェッショナルサラリーマン』が12万部シリーズ、共著に『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』などがある。