顧客対象を園児から母親に変える保育士

私が主宰する副業オンラインアカデミーの会員の中に、保育士のOさんという方がいらっしゃいます。Oさんはバリバリの保育士としてキャリアを積んで、来春には転職で新設の保育園の園長になることが内定しています。園長先生になれば、保育士としてはおそらくトップレベルの待遇になるかもしれないけれど、副業を考えるなら、サポーターの領域で考えましょうと提案しました。

そこでカギになるのが、「顧客の再定義」です。保育士としての顧客は園児ですが、それをお母さんに変える。相談相手のいないお母さんはたくさんいますので、そういう人を相手に、たとえばオンラインサロンなどで問題解決プランを提案していく。1対1で話したい人には単価を上げて、個別対応していく。そういった考え方で個人事業を起こす提案をしました。

この世界で20年ぐらい働いてきたOさんの知見を、たった一つの保育園の中で終わらせるのはもったいない。子どもではなく、お母さんを相手に商売する。これが顧客の再定義ということです。

「困った人はどこにいるか」を考える

顧客の再定義を行う際に大切なのは「困った人はどこにいるか」、つまり需要がどこにあるかという視点です。

今のウィズコロナの時代は、どこに需要があるのでしょうか。有望なのは「コロナで変化を余儀なくされて、新しい価値観を持ち始めた人」です。

2020年6月3日の読売新聞には「Zoomの利用者が19年12月の1000万人から、4月には3億人、30倍に急増。売上高は2.7倍」という記事があります。

こういったニュースからも、Zoomの利用者が、1000万人から3億人になったのなら、2億9000万人の人が急激な変化対応を余儀なくされている、この困った人たちに対する需要が見えてきます。

Zoomというのは、新しいサービスで多くの人が素人ですから、すぐに「詳しい人間」になれます。まずは有料会員になって、いろいろいじってみる。有料会員になっても月2千円程度の自己投資です。会議に必要となる機能や便利な使い方を説明できるぐらいになるのは、それほど難しいことではないでしょう。

そうやってZoomのエキスパートになると、社内でも「Zoomのことなら、あいつに聞け」とプレゼンスを高めることもできますし、さらにスキルを磨けば「テレワーク推進コンサルタント」にもなれるかもしれません。世の中でトップになるのは難しくても、新しいことに的を絞れば、社内でトップになることは難しくありません。

こういったニュースからも、見込み客を見つけることができるのです。