ITエンジニアは、課題解決で社会貢献できる

今、日本はSociety 5.0という新たな社会のあり方を目指しています。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く未来のあり方で、インターネットですべての人とモノがつながり、さまざまな技術によって社会課題が解決され、誰もが活躍できる社会です。

これを実現していくには、エンジニアの力が必要です。その際、女性ならではの問題意識やアイデアが活かされるチャンスもどんどん増えていくでしょう。女性は昇進や報酬以上に「社会や組織への貢献」の感覚がモチベーションにつながりやすい傾向がありますから、これからのITエンジニアの役割とも非常に相性が良いと思います。

コミュニティが強い味方に

IBMは今年、「女性が活躍する会社BEST100」(『日経WOMAN』と日経ウーマノミクス・プロジェクト主催)の総合1位に選ばれました。

女性が活躍しやすい理由をエンジニアの視点から考えてみると、最も大きいのは社内コミュニティの存在だと思います。職種や性別などさまざまな属性ごとにいろいろなコミュニティがあり、例えば女性エンジニアのための全社横断コミュニティには、女性だけでなく社長や男性役員も参加してメンバーのスキルやキャリアの向上を支援してくれます。

(写真左)2019年11月に、日本IBMの女性エンジニアコミュニティ「COSMOS」が主催して行ったイベントで、技術者のパーソナルブランディングについて話す戸倉さん(左から2人目)/(写真右)イベントを主催したCOSMOSのメンバー(写真=日本IBM提供)
(写真左)2019年11月に、日本IBMの女性エンジニアコミュニティ「COSMOS」が主催して行ったイベントで、技術者のパーソナルブランディングについて話す戸倉さん(左から2人目)/(写真右)イベントを主催したCOSMOSのメンバー(写真=日本IBM提供)

こういったコミュニティに参加していると視野が広がるだけでなく、結婚や出産、介護などのライフステージの変化で壁にぶつかったときに経験者のアドバイスを得られたり、部署や階層を超えた助け合いの関係を作ることができます。IBMには勤続年数の長いパワフルな女性も多く、そういった方々から「リラックスしてやりたいことをやればいいのよ!」なんて言ってもらうと、とても勇気がわいてきます。

働き方の面でも、IBMには個人のニーズが尊重される文化があり、上長と相談の上で個別に調整し、在宅勤務を始めとする柔軟な働き方をしている人がたくさんいます。

世の中のIT企業に目を転じてみると、先に触れたユーザー視点の重要性やデータの多様性や、平等性などを意識している会社では、女性エンジニアを多く雇用し、働きやすさに対する取り組みも進んでいます。一方で、そこまで到達するのにまだまだ時間がかかりそうな会社も多いのが現状です。

ですが、クラウドサービスも充実している今の時代、ITエンジニアは「PC1台でなんでも料理できてしまう」という強みがあります。在宅勤務や短時間勤務でも、専門性を活かしてバリューを発揮しやすい職種なのです。

世の中には会社を超えた女性エンジニア向けのコミュニティがたくさんありますし、SNSで素敵なロールモデルを見つけることもできる時代です。今の場所で力を発揮しづらくても社外にまで目を向ければ、努力次第でチャンスは開かれています。