職場のストレスは2つの軸で決まる

一方、なぜ出社をストレスと感じるのでしょうか。

一般的に職場のストレスは「主観的な仕事のノルマ」と「時間的な裁量権」という二つの軸で考えられます。ストレスの多い人は、ノルマが多くて、裁量権が少ない働き方をしています。かたやストレスの少ない人は、ノルマが少なく、裁量権が多い仕事をしていることが多いです。

今回のコロナ災禍によるテレワークでは、時間的な裁量権を個々人で持つことができたことが大きな成果でした。出社すると、その裁量権が減ってしまうことが、ストレスを生むだろうと考えられます。

ですから今後は会社も、フレックスタイムや裁量労働制など時間の裁量権を社員にわたす仕組みを取り入れると、社員のストレスが減って、会社としてもプラスに働くでしょうね。

またこの二軸以外にも、人間関係のストレスもあります。今までは職場の苦手な人ともテレワークで物理的な距離がとれていたのに、出社となるとまた距離が近づいて辛い、という話はよく聞きます。

出社しにくい月曜日の新習慣

一週間のうち特に「出社したくない」と感じるのは、やはり月曜日でしょうね。「メンタル不調の人の様子をみるのは、月曜日の朝がいちばんいい」というのは精神科医の間では定説になっています。

その高いハードルを乗り越えるためには、どうしたらよいのでしょうか。すぐに実践できるコツは次の4つです。

コツ1:月曜日の朝は1時間早く出社する

一週間のスタートである月曜日の朝は、よりエンジンをかけていかなければいけない時間。それなのに、溜まったメールを処理するのに時間がかかり、午前中がつぶれた……なんてこともありがちです。ですから、せめて1時間早く出社して、メールチェックだけでも終わらせておく。そうすれば、午前中からしっかりとエンジンがかけられるはずです。

コツ2:月曜日にアポを入れる

月曜日に「やることが決まっている」というのは、非常に大事です。何をしようか、どこから始めようか、あれこれ考えると、やる気スイッチはなかなか入りません。やる気スイッチをスムーズにオンにするには、相手のいる仕事が最適。特に月曜日は、どの会社も在席率が高いので、月曜日に上司や取引先の人などとアポを入れておくのはおすすめです。

コツ3:金曜日は中途半端に終わらせる

月曜日にゼロから仕事にとりかかるのは、エンジンがかかりにくくて非効率。ゼロからではなく、続きから始めるほうが断然楽なのは、経験的に感じている人も多いのではないでしょうか。ですから、金曜日の仕事は中途半端なところで終わらせるのがポイントです。

「切りの悪いところで終わる方が記憶によく残る」といわれていて、テレビドラマでもよく使われる手法です。切りが悪いところで終わるから、続きが気になるのです。

金曜日にきっちりと終わらせたい気持ちもありますが、金曜日だからこそ中途半端に終わらせる。それも単純作業のほうが月曜日にスタートが切りやすくなります。

コツ4:月曜日をテレワークにする

これは人間関係にストレスを抱える人におすすめの方法です。週に1回のテレワークが許されているなら、気の重い月曜日をテレワーク日に設定するとよいでしょう。火曜日、水曜日に対面する前にワンクッションおくことができます。

週単位で2日以上のテレワークが認められているなら、月曜日と金曜日をテレワークにして、金土日月と家にいるのがおすすめですね。