商品やサービスを「悩みごと解決」に切り替える
中期戦略における売り方は、短期とほとんど変わらない。売り手と買い手の接触がないネット通販のような「完全非対面」に加えて、短期戦略で展開した接触を最小限にする「準非対面」の売り方を強化することで、常連客も新規顧客も商品を購入してくれるようになる。基本路線は、短期戦略の延長と考えて問題ない。
しかし、中期戦略では提供する商品やサービスが変わってくる。短期戦略は既存の商品を常連客にセール販売することで売上を作ってきたが、中期戦略は既存の商品に変化を加えて、新しい客層の獲得に動いていかなければいけない。
巣ごもり消費の中で、中期戦略で売りやすいものは、悩みごとを解決してくれる商品やサービスである。たとえば、寝具を販売する場合、「寝心地がいい」という売り文句だけでは、購入させることは難しい。なぜならば、不要不急の商品のため、「また景気が戻った時に買えばいい」という発想が、お客様の頭の中に浮かんでしまうからである。
だが、見せ方を「悩みごと解決」に切り替えてみるとどうだろうか。同じ寝具でも、
「睡眠不足は免疫力の低下につながります」
「不安で眠れないときは寝具を変えるのが一番」
とキャッチコピーを変えるだけで、「寝るための寝具」から「悩みごとを解消する寝具」に価値観が大きく変わる。お客様の購入動機がより明確になり、商品の付加価値も高まるため、お客様も「今、買わなくてはいけない」という意識を持つようになる。
巣ごもり消費は、買い手側に「今、買わなくてはいけない」と強く思わせる必要があり、そのためには悩みごとを解決させる販促を仕掛けなければいけない。