感染が怖くなくて、良識があるお客様の獲得法

③の「感染が怖くなくて、良識がある」という客質を狙うためには、集客の段階でふるいにかけて選別することである。自粛ムードの中でスタッフががんばっている話や、お店の復活に向けて力を合わせて働いている話などをチラシやホームページでアピールすることで、その情報に心を揺さぶらせるお客様だけを来店させる。

店舗や企業の“考え方”に共感する人は、必然的に、売り手側と同じような価値観の人である可能性が高い。中期的な段階に入って、本格的に営業を軌道に乗せたい人は、そもそも③のカテゴリーの「感染が怖くなくて、良識がある」に分類される人たちでもある。その思いを自分たちのメディアに載せて発信すれば、③の客質が必然的に集まってくるはずである。

客層によって対応方法を変えていくことが大事

次に狙っていくのは、①の「感染が怖くて、良識がある」という客質である。リアルな店に呼び込むためには、もう少し時間がかかるが、情報発信をマメにおこなっていけば、やがて③の客層にスライドしていく。焦らず見守るスタンスで対応したほうがいいだろう。

②の客層は、もともと「感染が怖い」というスタンスなので、実店舗には近寄ってこない。しかし、自分たちが実店舗に足を運べないストレスから、電話やメールでクレームを寄こしてくることが考えられる。それをきっかけにお店のスタンスや考え方を理解してもらい、③の客層に引き上げられる可能性もある。無碍にクレームを扱うのではなく、新規のお客様になる可能性があることを意識して、慎重に対応したほうがいいだろう。

④の客層は、極端な安売りや無料プレゼントの販促企画を展開しないかぎり、来店することはない。不特定多数を大量に呼び込むような企画は、①~③のお客様を遠ざけてしまう可能性もあり、中期の段階で集客を仕掛けるのは時期尚早といえる。新型コロナウイルスが収束して、店舗での販売に感染対策をおこなう必要がなくなった長期戦略の際に、このような客質からの集客を考えても、遅くはない。