コロナ問題を機に「リモートの専門家」需要が増大

こういったITリテラシーを身に付けたら、リモートの専門家として副業を始めるのもありです。

たとえばパワーポイントは、今でこそみんな作れますが、少し前までは上手に作れる人のニーズは高く、その講師業だけで日本中をかけ回っている人がいるくらいでした。

さすがに今はそこまでのニーズはありませんが、代わりにリモート需要のニーズが非常に増えています。ですからリモートワークのノウハウやリモートプレゼンの資料の作り方を教える講師が、あちこちから求められているのです。

これから講師業を始める人は、ぜひオンラインを利用しましょう。コロナ問題でオンラインセミナーを受けることに抵抗がなくなった人が増えたからです。

またコロナ前ならセミナーをするときは会場を借りなければいけなかったので、固定費がかかっていました。お客さんが来なければ持ち出しになることもあったほどです。でもオンラインなら会場費がかからないので、非常に小さなコストでスタートできます。

ただし集客という点では、YouTubeで宣伝して、セミナーに誘導するといった、これまでとは全く違うノウハウが必要になってくるので、そこはアップデートが必要です。副業で磨いたこうしたスキルは、本業でもきっと生きてくるはずです。

構成=池田純子 写真=iStock.com

藤井 孝一(ふじい・こういち)
アンテレクト代表

中小企業診断士。1966年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、大手金融機関を経て99年に独立。著書に『週末起業』(ちくま新書)など。