給料カットやリストラなど新型コロナウイルス感染症問題による先行き不透明感から、副業を始める人が増えています。これからの副業のキーワードは“リモート”。そこで欠かせなくなるITリテラシーを高めるには、どうしたらよいのでしょうか。副業に詳しい経営コンサルタントの藤井孝一さんにお聞きしました。
笑顔でカメラの前に座る女性はVlogの作成中
※写真はイメージです(写真=iStock.com/demaerre)

副業でもZoom活用は当たり前に

今回の新型コロナウイルス感染症災禍で、リモートワークが増えました。これまで使ったことのなかったZoomなどのウェブ会議システムやSNSを積極的に活用する人も増えたでしょう。

これから副業を始める人は、こういったインフラを使いこなせないと、新規の仕事を受注するのも、仕事を進めていくのも難しいといえます。「ウェブ会議でお願いします」と言われたときに、それを理由に断らなくていいように備えておくことが大事です。

たとえば、僕の講師としての仕事もコロナウイルスの前は、ほとんど現地に行って話していましたが、コロナウイルス災禍では半分以上がなくなった。その代わり、リモートに変わったんです。

Zoomは以前から使っていたので、スムーズに移行できましたが、これが「Zoomは勘弁してください」「リモートはできません」と言ったら、仕事は半分以上減っていたと思います。幅広く備えておくことの大事さを身をもって実感しました。

いずれにしても、どんな仕事も新しいインフラは使いこなしていかないと不便ですし、ましてや副業のように限られた時間、限られたソースでやっていこうと思うと、ITを使わないと不利になります。

ITリテラシーを高める3つのポイント

では、どうやったらITリテラシーを磨けるのでしょうか。ポイントは3つです。

① まずはやってみる

最初は試行錯誤しながら、やってみるということです。本を読んだり、情報収集したりしている時間があったら、どんどん実践してみる。

会社で管理職になると、現場仕事はある程度は部下に任せているかもしれません。しかし副業となると、何から何まで自分でやらなくてはいけませんから、自分はITが苦手とか、ネットはイヤだとか、食わず嫌いせずに積極的に活用してみましょう。

まずは面白がって使ってみることがいちばんです。これから新しいものがどんどん出てくるでしょうから、そういったものも毛嫌いせずに、詳しい人に教わったら即実践してみるといった、柔軟性が大切になります。

➁ 若い人に胸を借りる

以前の記事でも述べましたが、もうかる副業としてウーバーイーツの配達員やYouTuberは人気ですが、こういった仕事は体力勝負なので、若い人には太刀打ちできません。またアフェリエイトや販売代行なども若者の得意分野。こうした業種で若い人と競うのではなく、あくまでも大人はコンサルティングや財務など、これまでの知識と経験を活かして専門分野で勝負するのが得策です。

むしろ若い人はITに詳しいので、ITに関する情報を教えてもらう。若い人とは同じ土俵で勝負するのではなく、胸を借りるつもりで、いろいろなことを聞いてみるとよいでしょう。

➂ クラウドソーシングを活用する

今は動画の時代。副業でもYouTubeなどの動画を活用する場面は増えています。ただし、ある程度は自分でやるにしても、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングに委託すれば、いくらでも動画を編集できるフリーランスの人はいます。しかも安い。ですから、動画編集の基本はきちんと押さえたうえで、そういったプラットフォームを上手に使いこなす力を高めておくことも大切になります。

コロナ問題を機に「リモートの専門家」需要が増大

こういったITリテラシーを身に付けたら、リモートの専門家として副業を始めるのもありです。

たとえばパワーポイントは、今でこそみんな作れますが、少し前までは上手に作れる人のニーズは高く、その講師業だけで日本中をかけ回っている人がいるくらいでした。

さすがに今はそこまでのニーズはありませんが、代わりにリモート需要のニーズが非常に増えています。ですからリモートワークのノウハウやリモートプレゼンの資料の作り方を教える講師が、あちこちから求められているのです。

これから講師業を始める人は、ぜひオンラインを利用しましょう。コロナ問題でオンラインセミナーを受けることに抵抗がなくなった人が増えたからです。

またコロナ前ならセミナーをするときは会場を借りなければいけなかったので、固定費がかかっていました。お客さんが来なければ持ち出しになることもあったほどです。でもオンラインなら会場費がかからないので、非常に小さなコストでスタートできます。

ただし集客という点では、YouTubeで宣伝して、セミナーに誘導するといった、これまでとは全く違うノウハウが必要になってくるので、そこはアップデートが必要です。副業で磨いたこうしたスキルは、本業でもきっと生きてくるはずです。