自分の部署だけでも加点方式に切り替えてみる

多くの上司は、できていないところを見て、「なんでできていないんだ!」と叱責します。その気持ちはわかりますが、一生懸命にやってきた「頑張り」や「成果」を認めずに叱責してしまうと、認めてもらえなかった部下はやる気を失ってしまいます。それでは仕事は終わらなくなってしまいます。

吉田裕児『部下が変わる本当の叱り方』(明日香出版社)
吉田裕児『部下が変わる本当の叱り方』(明日香出版社)

上司に認められた「頑張り」や「成果」が部下のやる気の源泉になるのです。人は相手を評価するとき、2つのタイプに分かれます。

100点満点から相手の欠点を減点していく「減点方式」を採用するタイプと、0点から相手のいい部分を足していく「加点方式」を採用するタイプです。欠点に着目した減点方式に比べて、いい部分を評価するのが加点方式です。あなたはどちらのタイプでしょうか。ミスが気になるような場合は、減点方式で評価しています。

赤ちゃんに接するときを思い浮かべてください。笑ったり、寝返りをうったりといった、ちょっとした成長でも「できたね!」「すごいね!」と手放しで喜ぶでしょう。そこに、減点方式はありません。あるのは、ひたむきに取り組む赤ちゃんの頑張りと、できたことを素直に喜ぶ大人たちの愛情です。

多くの会社では減点方式かもしれませんが、あなたの部署だけでも、できていないところを叱責する減点主義はやめて、できているところを認める加点方式に変えていきましょう。それだけで、あなたの部署は飛びぬけた成果を収めるでしょう。

吉田 裕児(よしだ・ゆうじ)
組織改革コンサルタント

「人の可能性を最大化させ、日本を再び世界のリーダーにする」という未来実現のために、全国の企業に対し「会社の未来を担う次世代リーダーを育成する」ための活動を行う。また、一部上場企業で35年間、3000人以上の作業員やスタッフを指導した経験やエピソードをもとに、強い組織をつくるためのメソッドを、研修や書籍、自身のブログなどで発信している。