年齢制限のある施設もあるので要確認

「上の子も立ち会えるところがいい」「分娩台の上ではなく、フリースタイルで出産したい」「できるだけ早く仕事復帰したいから、産後の回復が早いと聞く無痛分娩がいい」など、理想のお産のイメージは十人十色。出産のスタイルだけでなく、産後、赤ちゃんとの過ごし方も施設によって方針が違います。完全母子同室のところもあれば、日中だけ同室のところ、母子別室の施設もあります。満足できる出産にするためには、まずは自分が望むお産や産後のイメージや、ゆずれないポイントをクリアにすることが大事です。

「助産院や個人産院は、分娩の受け入れに年齢制限を設けているところがほとんど。40歳以上の初産は扱っていないところが多いでしょう。ただ、だからといって出産スタイルに選択の余地がないとあきらめることはありません。大きい病院でも水中出産やフリースタイルなど、自由度の高い出産スタイルを取り入れているところもあります。病院によって方針やできることが違うので、施設のホームページを確認したり、先輩ママの声などを聞くなどして、広く情報を集めましょう」

ただし、妊娠の経過によっては、希望の出産方法ができないことも頭に入れておく必要があります。

「とくに40歳以上の高齢出産の場合は、妊娠高血圧症候群などの合併症が出たり、お産がなかなか進まずに緊急帝王切開になったりと、リスクが高いのも事実です。安全面を考えると、高齢出産の場合は総合病院や大学病院のほうが安心です。40歳以上になると、緊急帝王切開のリスクは39歳以下の2倍にもなります(初産の場合)。早産のリスクも高いので、NICUが完備されているかどうかも施設選びの大事なチェックポイントです」

分娩予約は妊娠3カ月のうちに

分娩の予約は、妊娠8〜11週までには入れましょう。出産費用は施設によって異なるほか、同じ施設でも自然分娩か無痛分娩か、個室か複数人部屋かなどによっても違いがあります。人気の施設は予約がうまるのも早いので、希望が決まったらすぐに分娩予約を入れましょう。

「里帰り出産を考えている方は、産休前の健診で通う病院のほかに、里帰り先の病院も早めに決めましょう。妊娠中は何が起こるかわかりません。切迫早産で絶対安静が必要になってしまうこともあります。地元の病院のリサーチ、見学は早め早めが安心です。もちろん現在通っている施設にも、里帰りを希望していることは早めに伝え、相談するといいでしょう」