③ 注目度急上昇の狙い目「ファシリテーションスキル」

いろんな人の意見を聞き、流れを整理し、結論へと導く進行役をファシリテーターと呼びます。リアルな会議においても上手なファシリテーションは必要でしたが、オンライン会議が増えることによって、ますますその大切さを痛感している人も多いのではないでしょうか。

自分の主張や提案を一方的に押し付けるのではなく、参加者に向かって「みなさん、どう思いますか」と語りかけ、それぞれの知恵を引き出す。

これまでのリアル会議では、上司がその役割を担ってきましたが、オンライン会議ではそれではうまく進まないケースをよく見かけます。管理職は事業全体をみて売り上げやコストなどいろんなことを気にしますから、その会議自体の趣旨からずれていってしまうことがあるのです。メンバーがオンライン会議中にそれを立て直すのは至難の業。ファシリテーターに任命された人が会議の目的を明確にしたうえで議論を始めたほうが、会議の時間を有効に使えます。

もし、自分がファシリテーターになった場合は、最初に「この会議の目的はAで、そのためにBについて話し合います。時間は45分です」というように宣言することで、会議が効率的になります。議論するうちに論点がずれ始めたら「ずれていますよね」とやんわり伝えるべきです。目的に沿っていない意見が出たときには「その視点はとても重要なので別途話し合いたいですね。今日の趣旨はAなので、いったん話題を戻させてください」とさりげなく誘導する。そういった柔軟なさばき方が求められます。これからは若い世代でファシリテーションができる人は重宝されるので、狙い目のスキルと言えます。

④ 使用頻度が急上昇「ビジネスライティング」

オフライン時代に比べると、テキストでのコミュニケーションが格段に増えました。そこで柔軟な「ビジネスライティング力」も必要になってきています。基本として相手に読んでもらえる文章を書ける必要があります。メールでの連絡では、これまでどおり提案や相談など、全ての事項をまとめて書いてもいいのですが、新しいビジネスツールであるSlackなどのチャットでは、一度に長いテキストを送るとびっくりされてしまいます。結論を先に書き、説明すべきポイントを箇条書きにするなどの工夫と段階を踏んだやりとりが必要です。たとえばステップ1で問題意識を共有し、相手が「そうなんですね」と理解して返してくれたら、ステップ2でさらに細かい説明をする。そうやって段階を踏み、“刻んで”伝えると、相手のコミュニケーションにおけるストレスを減らすことができます。