新型コロナ感染拡大の影響により、リモートワーク化が一気に進み、経団連の調査によると企業のリモートワーク実施率(導入率)は97.8%という非常に高い数値に。出社はせず自宅やサテライトオフィスなどからメールやオンライン会議アプリを使って仕事する。そんな新しい働き方が当たり前、つまり“ニューノーマル”となった現在、ビジネスシーンで生き残るためにはどうすればいいのか? その方法を事業リーダーとして、エンジニアやデザイナー、ビジネスサイドまでマネジメントしているグロービスの鳥潟幸志さんが解説する。
落ち込んでいるアジアのビジネス女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/champc)

「オンラインではできないこと」を出社してする時代に

この3カ月でテレワークが一気に進みました。5月28日、日立製作所は、新型コロナウイルスがもたらした新常態(ニューノーマル)を見据え、在宅勤務を標準とした働き方を推進すると発表。同社は30万人もの社員を抱える日本有数の大企業ですから、この決定は社会に相当なインパクトを与えたと思います。

リモートワークを実施してみると、今までは会社に行って話し合わないと解決できないと思っていたことが、意外とできてしまう。「意外に大丈夫なんだな」というのが、現在、多くの人が抱いている実感ではないかと思います。そうなると当然、これまでのように通勤に1時間、2時間をかけるのか? という疑問も生まれますよね。「通勤時間をプライベートに使ったほうがいい」と考え、ますますリモートワークを希望する人が増えてくるでしょう。

自粛が求められている今は完全リモートワークが多いですが、今後「withコロナ」「afterコロナ」の時代には、リモートワークと出社してのリアルワークが併存していくはずです。「beforeコロナ」に比べると確実にリモートワークの率は増え、「オンラインではできないことを出社してやりましょう」ということになっていきます。