リモートワークに適応できない人に訪れる厳しい現実
上記のような人には3つの厳しい現実が待っているでしょう。1つは仕事が増えてしまうことです。これまでは直接話せば済んでいたことが、相手に理解してもらえない場面が増え、余計なやり直しや停滞が発生するためです。2つ目は、信頼が崩れ、自分がやりたい仕事や楽しい仕事ができる機会が減ること。そして最後に、少し衝撃的な言い方になりますが、仕事が失われるリスクもあります。または、職業そのものがなくなる可能性すらあります。例えば、営業の仕事はこれまでは営業先と対面で話して進めていたことができなくなります。実質的に従来のやり方では契約も取れなくなり、これまで通りの営業職の価値そのものが下がってしまいます。そういった変化がさまざまな職種において速いスピードで起きていくでしょう。
適応できるかどうかに年齢は関係ない
仕事を過去の延長線で積み上げてきた人が、そのやり方を捨てるのは難しいことかもしれません。しかしニューノーマルに合わせて自分を変え、どんどん新しい方向で実験していく姿勢が必要になります。これは年齢というよりもマインドセット(思考様式)の問題で、60代や70代の人でもチャレンジさえすれば適応は可能です。逆に20代でもその意識を持たないと、仕事が失われるリスクがあるのです。
すでに「beforeコロナ」の時代から、日本の終身雇用制は維持できないと言われ、「自分のキャリアは会社に頼らず自分でつくる」という意識も広がっていました。コロナ後は、失業のリスクを恐れすぎずに、自分を変えていくことがますます大切になるのです。
構成=小田慶子 写真=iStock.com
埼玉大学教育学部卒業、グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了。サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコムを共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービスに参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師としてファシリテーションを行う。