学習塾の講師のようにホワイトボードを活用
──具体的には、営業職の方々はどんな工夫をしているのでしょうか。
当社の営業は、お客様のご希望や今後の流れなどを書きとめて、それをお見せしながら商談を進めることが多いのですが、これをリモート商談でもできないかということで、自分の後ろにホワイトボードを置いた社員がいました。
オンライン学習塾の講師のように、ホワイトボードに書きながらご説明していくわけですね。PCで作成した資料などは画面上で共有できるので問題ありませんが、その場で出たお話をサッと整理するにはやはり手書きが便利。お客様のわかりやすさを重視した、ユニークなアイデアだと思いました。
また、背景は何がいいか、照明はどこから当てるべきか、Webカメラを2台使ってはどうかなど、見え方についてもあれこれ実験しているようです。お客様とつながる前に、まず社員同士で「相手からどう見えるか」を確認し合うんですね。こうしたアイデアは若手から出ることが多いですが、そのデモンストレーションを見てベテラン社員が学ぶという好循環が生まれています。
オンライン時代の新しい自己紹介のかたち
──初対面のお客様に対しては、どんな工夫をされていますか?
フリップ数枚に自己紹介を手書きして、画面越しに紙芝居のようにお見せしている者がいます。お客様に親しみを持っていただくための工夫ですね。ほかには、リモート商談に先立って、短い自己紹介動画をお送りしている社員もいます。
これは、自分で、またはプロに依頼してつくった動画を、会社の検証を経てからお客様にお送りするもの。いわば映画の予告編みたいなものですね。商談当日は、お客様がその社員の顔を見るのは2度目ということになりますから、反応もずいぶん違うようです。
こうした工夫は社内でも共有されています。当社には全国の社員がWeb上で情報交換できる仕組みがあり、そこでは新しいアイデアが次々に披露されています。どこの支社でも、リモート商談を進化させようと自発的に取り組んでいて、非常に頼もしく思っています。