「リモートは無理」という固い頭を捨てる

リモートと相性が悪いと言われているのが「営業」です。今は「接触を要する客との仕事はストップ」している企業も多い。焦らず顧客の悩みに向かい合い、電話でもいいので接触しましょう。逆にリモートに興味を示してくれる顧客とは「リモート会議のデモ」を申し入れて、感謝されたケースもあります。

今回「リモート化」できないと思われていた仕事も、かなりの部分リモートに移行できることがわかりました。コロナ終息後に元に戻るのではなく、リモート化=効率化につながる部分は追求していく。今までの忙しさのうち、どれが本当に「成果に直結していたのか」を見直す良い機会です。

自宅リビングで仕事をする若い女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Tirachard)

また「リモート不可」の部分をどうするか、もしかするとビジネスモデルのシフトが必要かもしれないと見直す時期です。例えば自動車販売なども、接触しない非来店型になる可能性があります。新しい営業スタイルは、今まで来店しなかった顧客を取り込むチャンスにもなります。

「心のケア」を忘れずに

先の見えない事態ですが、皆様のようなリーダー的な立場にある人に一つお願いしたいことがあります。今「コロナハイ」とも言われる状況が少し落ち着いて「疲れ」が出る時期です。不安や恐れを抱いている人はいませんか? 出社するメンバーの不安、在宅のメンバーの不安、経済的な不安。それを無視してはチームは前に進めません。不安や恐怖は「生きるための正常な反応」として受け入れること。人によって度合いは違うので、きちんとフォローすること。そしてまずは自分を労うこと……。「心のケア」問題を疎かにしないようにお願いします。

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白河 桃子(しらかわ・とうこ)
相模女子大学大学院特任教授、女性活躍ジャーナリスト

1961年生まれ。「働き方改革実現会議」など政府の政策策定に参画。婚活、妊活の提唱者。著書に『働かないおじさんが御社をダメにする』(PHP研究所)など多数。