「いつでもきちんとしていればいい」ワケじゃない!
反対に仕事だからといって、通勤仕様のピシッと決めたスーツを着るのは……もちろん、大切な商談や重要な会議においてはそれも必要ですが、その場合は相手を限定したほうがいいでしょう。社内メンバーとの打ち合わせにいつものスーツはちょっぴりかしこまりすぎですし、家での装いとしてはなんとなく心地が悪いものです。TPOのセンスに欠け、管理職として着こなしの幅の狭さを感じ取られてしまうかもしれません。
素敵な装いの定義は「他人に自分をどう見せるか」ということにプラスして、自分自身の着心地も徹底的に追求する時代になりました。いくら完璧に着飾っていても、自身がどこか窮屈で無理をしているのであれば、それは違和感という形で相手に伝わってしまいますし、いつでもどこでも「とりあえずきちんとしていれば大丈夫」といった堅苦しい着こなしは、がんばっているけれど大人の余裕がなく、なんだか浮いて見える場合もあります。働き方が細分化しているように、私たちはシーンや相手によって何を着るかということも、これからはもっと細かく配慮する必要があるのです。
では、在宅勤務だけれどオンライン会議等の対面はする、といった微妙なシチュエーションで、女性管理職はどんな装いをするのが正解なのでしょうか?
自分も相手も心地のいい才色兼備なジャケットを選んで
在宅ワークではきちんと見えて、なおかつ着ていて心地の良い装いが鉄則。きちんと感をただ取り繕うのではなく、自分にも相手にも配慮したアイテム選びが必須です。
そこでオススメしたいのが上品かつ軽やかなテーラードジャケット。コンパクトなのにほどよい伸縮性のある素材なら、長時間座っても、また、家の中で何か作業をするときにもストレスフリー。これからの季節であれば、さらりとした肌触りのサッカー素材がベストでしょう。同じく着心地が良いとされているジャージー素材よりもきちんと見えて通気性も良く、初夏らしい涼やかさも感じられます。
また、シワが目立たちにくいというのも大切なセレクトポイント。それでいてお手入れも楽ちんならば、働く女性にとって才色兼備なパワージャケットといえるでしょう。もちろん在宅勤務のときだけでなく、普段の通勤にも活躍すること間違いナシです。
ちょっとしたシルエットや素材、色などに気を配れば、細やかな印象管理ができる万能アイテム、ジャケット。細分化する働き方に合わせて選ぶことで、仕事のセンスのよさもアピールできるビジネスの大切な相棒となってくれるはずです。
今月の名品
オールドイングランドのストライプジャケット
スタイリング=乙部アン 撮影=坂根綾子 写真=iStock.com
新ファッションウェブマガジン「LIV,」女性ファッション誌のフリーエディターをしながら執筆家としても活動、いくつかの連載を掛け持ちする。アメブロやnoteなどのブログでは、大人の女性に役立つファッション・仕事・サステナブル・ライフスタイル・独自の人生哲学を発信。