惰性でしている仕事で捨てるべきものを見極める

日中は、あっという間に時間が過ぎてしまいます。ひとつひとつのタスクの優先度を見極め、朝のうちに仕分けできれば、自分が人生において何を一番大切だと思っているか、そのために何をすべきか(=種まき)が明らかになります。

自分にとっての種まきが何かを見極めるためには、「とりあえず」「念のため」と何となくやり過ごしていることを、「本当に必要かな?」の視点で優先順位をつけて見つめ直してみましょう。そうすると、惰性でしていた仕事のどれをカットして生産性を上げるかについても見えるようになってきます。

間違ったロールモデルを目指さない

優先順位をつけるために、ネットで話題になっている人や有名人の生き方を参考にするという人も多いでしょう。

池田千恵『「朝1時間」ですべてが変わるモーニングルーティン』(日本実業出版社)
池田千恵『「朝1時間」ですべてが変わるモーニングルーティン』(日本実業出版社)

その際に大切なのは「20代会社員」「企画職」「ワーママ」「子どもが小学生」といったように、その人の現在置かれている立場・環境だけを切り取って参考にするのではなく、その人がどういう志向で仕事やプライベートを捉えているかを見ることです。

たとえば一日中仕事のことを考えるのが苦ではなく、仕事もプライベートもごちゃまぜになっている状態が心地良い、家が片づいていなくてもあまり気にならない、子どもは元気にごはんを食べてたくさん寝ることができさえすればそれでOK! と考えているワーママの優先順位と、家のことを整えるのが大好きで住環境やインテリア、子どもの食事内容が最大の関心事のワーママでは優先順位は全く違うものになります。それなのに「ワーママ」という立場だけ見て参考にしようと思っても絶対に参考になりません。

このように人によって優先順位が違うという前提を取っ払い、ロールモデルを探して合わせていこうとするので、本当の優先順位を見つけることができないのです。

いまの私たちに必要なのは、同じ環境・境遇の人がどうしているかを探すことではありません。自分がどういう人生を送りたいか? どんな状態に幸せを感じるか、つまり、自分の「志向」を最初に明確化し、同じ「志向」の人がどのように優先順位を決めているかを知り、その優先順位を実践することです。