「断捨離の大チャンス」が圧倒的
前回「すべてを頑張ってきたキャリア女性が、コロナ禍の中で断捨離すべきものとは」にも書いたように、私たちの多くはこれをちょうどいい引き算の機会ではないかと受け止めている。ウイルスから思いがけず時間と空間を与えられた、と言ってもいいかもしれない。
驚くべきは、1000の回答のなかで圧倒的に多かったのが断捨離や片付け、掃除だったことである。「断捨離」「部屋の断捨離」「家族で断捨離」「大きく断捨離」「スッキリ断捨離」と、ダンシャリという字や響きがゲシュタルト崩壊を起こしかけるレベルで並ぶ。“こんまり”ごっこ、家電修理、本や衣類の整理などに加えて「フローリングのワックス塗り直し」という具体的なものもあって、本気度が伝わってくる。
確かに、これからしばらく自宅で過ごすのだから、まずは環境を心地よく整える。部屋の中を更新し、新しい変化や可能性を呼び込める空間を創出して、変化に備えるということなのだろう。中には「模様替え」「インテリアを足す」「DIY」「ベランダのウッドデッキのペンキ塗り替え」という人もいて、こういうとき、ひとはまず自分の一番手近な環境を自分に心地よく整えようとする心理が働くもののようだ。感染防止のために風通しの良さが大事な時代だし、健康はまず住環境から、なのかもしれない。
オンラインレッスンとセミナー受けまくり
プレジデントウーマン読者らしい……と(もちろんうれしく)苦笑したのが、オンラインセミナー受講や資格勉強などの、多数のスキルアップ系回答だった。
「語学勉強」「オンライン英会話」「通信教育」「資格の勉強」「TOEIC準備」など、じぶん時間を有効に使って自分のキャリアを磨こうという、前向きな真面目さや向学心の高さがうかがえる。
新たなプログラミング言語の勉強をする。(50代・技術系・一般社員)
読者の中には、今回のコロナ禍を機会にいろいろな視点を得て、自分で学んだり、文献に当たって思索を深めようという人もいるようだ。
テーマは健康と勉強。健康のため、家の中でできる優しい運動、筋トレなどを定期的に行う。料理を勉強し、実践する。栄養学について興味があったが勉強する時間がなかったため、勉強し料理に生かす。勉強のため、上記の栄養学に加え、英語とフランス語とタイ語の勉強を少しずつ取り込む。英語とフランス語については、海外の友人と連絡を取り、積極的に実践(メールの読み書き、会話を聞く、行う)を積む。動画サイトなどでタイ語の勉強を進め、業務に生かす。統計学の復習を前に進める。(30代・技術系・一般社員)
この機会に問題意識を持つようになった人、あるいはこれまで興味があったけれども忙しすぎてできなかった学びをようやく始められる人など、背景はさまざま。でも、こうやって制限のある社会状況下でも、それに不平を言って腐るのではなく、「では今だからこそできることは何か」と考え方をスイッチする姿勢には胸のすくものがある。