クリエイティブなアイディア全開! のセルフ余暇活動
何ごとも少人数(またはひとり)で、誰かにしてもらうサービスにお金を払うのではなくセルフで楽しまざるを得ない時代、これは言わば「ソロ活上等時代」とも言える。
インドア派の多くは「これは絶対に読書」「積読を解消する」「全集読破」「オンライン動画配信サービスで映画三昧」「ロケ地しばりや俳優しばり、監督しばりで名作を見まくる」と、むしろ巣ごもりを大歓迎している空気だ。中には「都内でインドアライフを極める、全力でゴロゴロする」と鼻息の荒い人もいる。
アウトドア派は、3密を回避しながらも新鮮な外気を吸う方法に考えを巡らせ、「ベランダでピクニック」「屋上でテントを張ってキャンプ」「ガーデニングで庭改造」など、アーバンアウトドアの策を練る。自然の豊かな地域に住んでいる読者は「農家なので畑仕事」「近くの川で水遊びをしたり、絵を書いたり」「庭でバーベキューとキャッチボール」と、恵まれた環境を謳歌する姿が目に浮かぶ。だが「自然の豊かなところへドライブ」「親族の別荘へ行こうか企画中」……などは、いま批判の声も少しずつ上がっているので、くれぐれもほどほどに。
健康意識の高まりもあってか、ランニングやジョギング、おうちヨガやピラティス、筋トレに取り組むという人も多かった。料理自作派の中には、やってみたかった手のこんだレシピに挑戦したり、自ら新しいレシピを考案したり、「子どもたちに料理などを受け継ぐ」という人もいる。
「これまでが忙しかったから、今こそ子どもと向き合う」との声もあった。勉強に付き合ったり、一緒に公園で活動したりという中に、「子どもからの提案で巨大すごろくを作る」という回答には驚かされる。
私たちの精神は自由だ
ネットの発達した現代ならでは、と感じたのは「Googleアースで世界を旅した気分になって、その土地の料理を作って楽しむ」という“妄想旅”のアイディアが複数あったこと。物理的な制限があっても、私たちの精神と頭の中はどこまでも自由だ。
「アフターコロナの世界を考える」、「仕事再開に備えてインパクトのある企画を準備中」など、コロナ後をどう生きるかに備え、長期的な視野を持っているのもウーマン読者らしいと言えるかもしれない。そして忘れてはならないのが
・インフラ業なので、通常運行です。
・GWは休みではないので、いつも通り仕事に行きます。
という人たちの存在。私たちの自粛生活が可能なのも、社会と経済を止めずに回してくれている職業に就く皆さんの働きのおかげだから。
人間社会が重大な危機に晒されるたび、その成員である「個人」の再定義が進む。地域の、国の、世界の感染という大きな絵を把握するため、人間はポツンと一つの「点」としてその動きをモニターされ、発病すれば「一感染者」としてカウントされる。でも、その一つの「点」、一人の「感染者」は、顔も名前も人生もある私たち一人ひとりだ。私たちは、社会の成員であると同時に、一人の豊かな個人であることも絶対に手放しちゃいけないのだと思う。コロナで、私たちの生き方や考え方は確かに影響を受けた。それはこれからも着実に続いていくのだ。この時代を、前向きに過ごそう。
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1973年、京都府生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。時事、カルチャー、政治経済、子育て・教育など多くの分野で執筆中。著書に『オタク中年女子のすすめ』『女子の生き様は顔に出る』ほか。