さまざまなシーンでプロトコールを生かすための実践編。ぜひ明日から活用してほしい。

▼ビジネスシーンで

ビジネスシーンで挨拶の握手
イラスト=おぐらきょうこ、以下すべて同じ

「握手は上位者から差し出すのがルール」

日本のビジネスシーンでは、最初の挨拶は名刺交換から始まることが多いが、国際的なシーンでは握手から始まるのが一般的。まずアイコンタクトをし、名前を名乗り、必ず右手で握手をしよう。ビジネスでは同時に手を出すのが実情だが、プロトコールでは「上位者から下位者に手を差し出す」のが原則。グローバルでは、交渉を優位に進めたい側が早く手を出すこともあり、「正しい握手」「意思ある握手」とは何なのか、知識として知っておきたい。名刺交換をする習慣は少ないが、その場合、机に名刺を並べるのは避けること。“記憶力の悪い人”と思われかねないので、すぐにしまうのがマナー。

「席次は、原則を守りながら臨機応変に」

オリンピックやパラリンピックの開催時は特に、海外のエグゼクティブを接待する機会も増えるはず。その際に心得ておきたいのが席次のマナーだ。上位席のポイントは、「右上位」「入り口から遠い席」「洋室はマントルピースの前、和室は床の間の前」「展望の良い席」「応接室の長椅子」など。これらを基本ルールとし、臨機応変に対応してベストな席次をアレンジしたい。たとえば隣同士になる人が「言葉が通じるか」「ライバル企業ではないか」「趣味が合うか」「社会情勢で敵国ではないか」などにも気を配ること。各自に「なぜその席なのか」を説明できる席次がパーフェクトだといわれている。