「観劇が終わったのち、ディナーに招待しても」

一緒にいるのが芸術好きの海外ゲストなら、たとえば幕あいにくつろげるスペースを用意し、ワインや軽食でおもてなしをする時間を設けると喜ばれる。もしくは幕が下りたら「では、第4幕へ参りましょう」などと言ってディナーに招待するのも気が利いている。芸術の余韻を感じながら、ゆっくりといただく食事はとっておきの時間になるはず。プラスアルファのおもてなしとして、ゲストにも日本の滞在の記憶が深く刻まれるだろう。

「パーティーにはカンバセーションピースを身につけて」

パーティーに招かれた場合、主催者は誰なのか、また開催の目的は何なのかなどの詳細を把握すること。すると自分が求められている役割や立ち位置が明確になる。会場やドレスコードをチェックしたら、会話のきっかけにもなる、パーティーの趣旨に沿うものを身につけていくことを心がけたい。身だしなみの整った、清潔感がある装いが世界共通のマナーだが、自国の伝統文化を品よく取り入れたり、主催側の国旗の色や国花のデザインをドレスやアクセサリーに盛り込んだりするのも有効。服装での敬意表現も心得ておきたい。

オリンピック・パラリンピック観戦で注意!「国旗は敬意表現! 扱い方に注意が必要」

国旗を汚したり、捨てて帰るなどはNG

国旗や国歌、国花は国の象徴であり、歴史・風土・思想などのお国柄と、国民の精神や誇りを表現している。そのため大切かつ厳重に扱うべきものとキモに銘じたい。たとえばスポーツ観戦時、自国はもちろん相手国の国旗を汚したり、捨てて帰るなどはもってのほか。プロトコールでは寄せ書きもNGとされている。誤った取り扱いはトラブルとなることをぜひ覚えておこう。

文=本庄真穂 イラスト=おぐらきょうこ

上月 マリア(こうづき・まりあ)
一般社団法人日本プロトコール&マナーズ協会理事長

校長を務める「ノブレス・オブリージュアカデミー」にはさらなる研さんを積むため、全国からマナー講師が訪れる。「JOC国際人養成アカデミー」などのプロトコール講師も務める。