「女性こそ、優雅なエスコート力を身につける」
世界的に活躍するキャリア女性が増えつつあるからこそ、しっかり身につけておきたいのがエスコートのマナー。海外のゲストを案内するときは、彼ら彼女らにとっては不慣れな土地だからこそ、正しい方法でしっかりナビゲートする必要がある。プロトコールでは「右上位」が原則なので、まず上位者を自分の右側に。さらに2、3歩斜め前を歩き、左手は進行方向を、右手はゲストの足元を指しながら案内する。その際、体は斜めにしてお尻を向けないようにするのがマナー。エスコートとは相手の命を守る行為。「自分がどこに連れていかれるのか」という不安感を消し、併せて安心感を与えることに心をくだきたい。
「お礼状や贈り物に文化と気持ちをのせる」
海外からのビジネスパーソンに贈り物をする場合、コンプライアンスの観点から贈答慣習と授受の可否をまずは確認すること。贈答してよい場合は、まず相手の好みをしっかりと調査して、「文化度の高いもの」「負担にならない金額のもの」「持ち帰りやすいもの」を選ぶこと。美食家には江戸切子、筆まめな人には筆ペンや文鎮、茶道に興味があれば懐紙や干菓子など、日本文化が伝わるものを。また、日本語の字体を好む外国人も多い。日本語の手紙を書き、隣に英文訳を併記して贈り物と一緒に添えると、なお一層喜ばれる。
▼プライベートで
「劇場の座席はそのつど立って譲り合う」
オペラやクラシックコンサートなど、芸術鑑賞の会場に出かける際に気をつけたいことがある。まずコートや荷物はクロークに預け、会場内に持ち込むのは小さなバッグだけにすること。オペラは特に、観客も芸術の一部であり、音楽を吸収するものは人体以外は会場に入れるべきでない、という考えから。またゲストを招待した側なら、奥の席をゲストに、通路側の席を自分にするのが鉄則。これがプライベートの場合は女性が奥、男性が通路側になる。
よく見かけるのが、奥の席に入りたい人がいた場合に、座ったまま体勢を変えている人。これは日本だけの事例で、海外では必ず席を立って相手を通すのが常識なので注意したい。また、着物で鑑賞する場合、帯があるために前のめりになり、後部席の観客の視界を邪魔していることも。帯の結び方を小さくするなど、配慮して出かけること。