片づけは記憶を整理すること

もう一つ、片づけられない人の原因として心の「トラウマ」が関係していることもあります。もしあなたが散らかった部屋を前にして、

「いまの部屋が片づいてきれいになった状態を想像できない!」
「いくら想像をしようとしてもちっとも片づいてきれいになった部屋が出てこない!」

となったら、「もしかして記憶から抜けてしまっている心の傷(トラウマ)があるのかも?」ということを疑ってみるといいでしょう。

大嶋信頼『片づけられない自分がいますぐ変わる本』(あさ出版)
大嶋信頼『片づけられない自分がいますぐ変わる本』(あさ出版)

片づけには記憶を整理する、という意味があります。

どいうことかを簡単に説明すると、いつまでも取っておいてあるプレゼントの包装紙には「プレゼントをもらった時の喜びの記憶」が、またテーブルの上に歯医者の領収書がいつまでも放ってあるとしたら、それには「歯医者に行った時に、何度も麻酔を刺されて怖い! 痛い!」という記憶が宿っていて、それらを捨てたり、片づけたりするというのは、「いらない記憶を捨てて、必要な記憶をきちんと本棚や引き出しにしまっていく」みたいな意味合いがあるわけです。

ですから、もし「イメージでも片づけができない」というようならば、それは「記憶を整理したくない」⇒「トラウマと向き合うのが怖い」と心のどこかで感じている可能性があります。

一気に片づけてしまったら、心の準備ができていないのに、自分の心の傷に触れてしまうかもしれない、という恐怖がそこにある。だから「片づいた部屋がイメージができない」となってしまうのです。

でも、逆に考えてみると「コツコツと片づけをして記憶を整理していくと、自分の記憶から抜けていた片づけができない原因が見つかるかも!」ということにもなります。

ただ注意したいのは、心の底から「片づいた部屋をイメージするのが怖い」という場合は、無理をしないこと。そんな時は専門家と一緒に記憶の整理をすることをおすすめします。

写真=iStock.com

大嶋 信頼(おおしま・のぶより)
心理カウンセラー

インサイト・カウンセリング代表取締役。米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。FAP療法(Free from Anxiety Program不安からの解放プログラム)を開発し、トラウマのみならず幅広い症例のカウンセリングを行っている。アルコール依存症専門病院、東京都精神医学総合研究所等で、依存症に関する対応を学ぶ。人間関係のしがらみから解放され自由に生きるための方法を追究し、多くの症例を治療している。カウンセリング歴31年、臨床経験のべ10万件以上。著書にベストセラー『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)のほか、『無意識さん、催眠を教えて』(光文社)など多数。