「投資家タイプ」はお金を使うことに興味がない
「投資家タイプの特徴は“消費”にあまり興味がないことですね」と藤川さんは指摘する。
高い家は買わず、高級車に乗る人も少ない。そんなものにお金を使うなら、1円でも多く投資に回したいと考えている人たちだ。それが10円、100円でも変わらない。金額の問題ではなく、無駄遣いをしたり、節約ができたものを逃すことをとても悔しがる。ただ節約しているだけではない。普通の人がブランドものを買うように、有望な株式や不動産を買っているだけだ。
子どもの教育費も同じだ。学費の高い私立校に通わせる人は少ない。大学まで国公立にするのは難しいが、中学・高校は公立に通わせる。とはいえ、教育に無関心というわけではない。子どもを海外に留学させることには積極的だ。単に出費を抑えることが目的ではなく、使うべきところには惜しみなくお金を使うのが投資家タイプの特徴だ。
投資による損失は割り切りが早い
「節約できたはずなのにできなかったときは少額でも嘆く一方で、投資で大きな損失が出たときは『仕方ない』と割り切ることができるのが投資家タイプの大きな特徴です。それが100万円、1000万円の損失であっても。」
普通なら「二度と投資はしたくない」と思ってしまうだろうが、投資家タイプは「なぜ自分は損したのか」を検証して再チャレンジしていく。
「数年間で一気に多額の資産を築くのも投資家タイプの特徴ですね」
節約家タイプはコツコツと着実に資産を増やしていくが、投資家タイプは最初のうち、資産額の伸びが低迷することもある。しかし、長い期間にわたってチャレンジを続けている中で資産が急成長する時期が来て、その波にうまく乗って一気に資産を増やす。
資産の成長サイクルに乗り、一気に増やす
「ビジネスには①黎明期、②成長期、③成熟期、④衰退期というサイクルがありますが、資産の成長にも同じことが言えます」
資産の成長にもサイクルがあり、低迷する時期がしばらく続き、ある時期が来ると一気に増える(図表1)。それを繰り返していくうちに純資産1億円が達成できる。このサイクルは、世の中の経済の動きが関係する。時期によってはチャレンジを続けていても「ずっと成長期が来ない」こともあるが、チャレンジをしていなければ、チャンスが来たときに逃してしまう。
「チャンスの扉が開いたときに、そのときにふさわしい方法を見つけて実行した人たちが、短い期間で資産を一気に増やしているのです」