今日いくら使ったか、言えますか?
じつはこの傾向、「収入が少ないから、貯金ができないと悩む人」の家計にも共通しています。
収入が少ない分、使える額は減りますが、支出がルーズになっていることは変わりません。
同じように気づくと現金がないから、クレジットカードや電子マネーで支払い、結局、その月に何にいくら、どうして支出したのかがよくわからないまま、次の給料日を迎えるのです。
そして、お金が口座に振り込まれれば、万事OK。先月もなんとかなったし、今月も大丈夫だろう、と変わらぬ使い方を続けてしまいます。
一方、収入が少なくてもお金が貯まる人は、支出を整理し、よく見えるようにしています。何にいくら使ったか、ムダはなかったか。支出を見直すことで家計をうまくコントロールしているのです。
私は支出がルーズになっている人に、こんな質問をするようにしています。
「今日いくら使ったか、言えますか?」
狙いは、自分の支出について振り返る意識を持ってもらうことにあります。
お金が貯まらない原因は、「いくら使ったか見えなくなっていること」です。なぜそうなるのかを探ることで、家計の「視える化」を始めるためのヒントがみつかるはずです。
前述したように、キャッシュレス化により、支払いの仕方が多様化してきた今、ますます自分が何にいくら、どうして使ったのかを意識することが重要です。
「このままだとまずいかも?」
そう気づくことが、キャッシュレス貧乏になることなく、お金が貯まる第一歩となります。
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お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は2万6000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は90万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』(アスコム)や『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を代表作とし、著作は171冊、累計380万部となる。