貯められるかどうかに収入は関係ない

これまで2万3000人以上の家計相談を受けてきて、つくづく思うのは、「貯金ができる人、できない人」の違いに、「収入は関係ない」ということです(もちろん、相当の高収入であれば話は別ですが)。

例えば、月に55万円の世帯収入がありながら、毎月の家計の収支はとんとんというご夫婦がいました。ボーナスはローンや税金の支払いに消えていき、貯蓄は夫婦合わせてたった数十万円……。

お互いがそれぞれに貯めていると思っていたのに、家計相談に来てみて「うちには貯金がない」という事実にがく然とされていました。

一方、世帯収入が25万円。小さなお子さんを育てながらも着実に貯蓄を増やし、「将来に備えて投資を始めたい」と相談に来る方もいます。

・収入が多いのに貯金できないという人
・収入が多い分、自然とお金が貯まっている人
・収入が少ないから、貯金ができないと悩む人
・収入が少ないけど、貯金はしっかりしています、という人

あなたはどのタイプに当てはまるでしょうか?

払えるから払ってしまう人々

ちなみに、家計相談に乗っていて一番悩ましいのは、「収入が多いのに貯金できない」という人たちです。

このタイプの家計には、共通したある問題があります。それは出ていくお金=支出がルーズになっていることです。しかも、平均的な世帯よりも稼ぎがあるため、本人が「これは必要かも」と感じたら、払えてしまいます。

クルマがあると便利だし、見栄えがいいと気分もいいから、と新車をローンで買ってしまう。子どもの力を伸ばしてあげたいから、塾にピアノ教室、水泳教室、英会話に通わせる。

払えるがゆえに、必要かどうかを吟味せず、もったいない使い方をしてしまうのです。その結果、十分に稼いでいるのに、気づくと給料日前になると現金が手元にない状態に。

それでも「カードで払えば、まあいいか」とクレジットカードやそれに紐づく電子マネーを利用して、払えるがゆえの支出を増やしてしまいます。