上りつめるまでに、何度も悔しい思いをしてきた

ここまで上りつめるまでに、何度も悔しい思いをしてきました。同じような提案をしても男性の意見が聞き入れられたり、自分より能力の低い男性が上手にアピールして先に昇進したり。さらに3人の娘を出産・子育てしていなかったら、10年早くCEOになれていたかもしれません。

サビーナ・ベッリさん
サビーナ・ベッリさん

でも、どの経験も後悔はしていません。男女の不平等は日本だけでなく、ヨーロッパでもいまだに女性が仕事で野心的な面を見せると否定的な意見を言う人は多くいます。経済的理由や家業などで働くことが半ば義務であれば称賛されるのに、女性が働くことを「選ぶ」ようになった途端に異議を唱える人が出てくるのです。本来の「選択の自由」と矛盾しています。女性も自分の道を選び、自分の人生を決めることが認められなければいけません。

私から、働く女性の皆さんへのアドバイスは、感受性を生かしつつも、決して感情的にはならないこと。ビジネスでは、事実や数字をベースにして議論を進めなくては相手から真剣に受け取めてもらえません。

そして、絶対に自分の可能性を諦めず、自信を持つこと。小さなことでも自信を持って、自分の言葉で伝えることを恐れないでください。