“運動”の驚くべき効果
ほかにも、マッコーリー大学のオートンとチェンの研究では、「運動も先延ばしに効果がある」ことがわかっています。運動不足の男女24人にまず2カ月間「特になにもせずに」いてもらい、その後2カ月間ジムに通ってもらい、その間のストレスレベル、精神的苦痛、自己効力感、およびその他の習慣に関する変化について調べました。
すると運動後は、ストレスが減少し、タバコやアルコールやカフェインの摂取量が減り、感情のコントロールができるようになり、家事に従事することも増え、約束も守るようになり、健康的な食生活になり、無駄使いも減り、学習習慣にも改善が見られました。アメイジング!
名だたる文豪たちには“締切前後の修羅場エピソード”が山ほどありますが、それは文豪ならでは。一般社会で生きるうえで、文豪的な振る舞いは通用しませんし、締切を余裕で守って、有意義な時間を過ごしたいものです。
ひとまず、締切のある仕事をいつも抱えているなら、毎日の目標を細かく設定し、ひとつクリアするごとに何かご褒美を用意する方法を取り入れてみてください。さらに長期的スパンでケツ合わせな自分を変えるなら、運動するのがおすすめです。進行通りに仕事を進め、ジムで気持ちのいい汗を流す……ステキなライフスタイルが見えますよ。
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1968年、熊本県生まれ。シカゴ大学言語学部博士課程修了。ヨーク大学ロースクール修士課程修了・博士課程単位取得満期退学。専門は、司法におけるコミュニケーションの科学的分析。言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を横断した研究を展開している。テレビのコメンテーターのほか、雑誌、WEBなどでも連載を行う。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』(アスコム)など、著書は50冊を超える。