テレビが大騒ぎするほどのことではない
筆者自身も女性専用車両を利用することはありますが、特段普通の車両と異なる様子は見られません。強いて言うならば若干、メイクをする人の姿が目立つ程度でしょうか。しかしそれは女性同士、朝早く起きて化粧をする大変さを理解しているがため、安心や甘えが生まれてしまうからかもしれません。私自身も普通車両の乗車時ほどには、彼女たちをひやひやした思いで見つめませんでした。従来の価値観では行儀が悪いと言ったらそうなのかもしれませんが、各局が改めて大騒ぎするほどの問題ではありません。
筆者がたまたま目撃していないだけで、そこが女の戦場と化すことはまれにあるのかもしれませんし、社会問題として取り上げるほど困っている人がいるならば報じる意味はあるのかもしれません。しかしながら、先に述べたようにそこまで深刻な問題であるという根拠は薄く見えます。
女性専用車両を批判的に報じる単純すぎる理由
なぜウェブメディアやワイドショーは女性専用車両を批判的に扱うのでしょうか。それは、単純に「数字が稼げる」からです。
特にテレビの主な視聴者は主婦層であることから「女同士のバトル」「女の敵は女」といったコンテンツを放送することは多々あります。その内容自体に問題があることは後述しますが、今回は特に視聴者から批判の声があがりました。
それはなぜか。
仮に女性専用車両内でトラブルがあったとしても「そもそも女性車両が存在する理由は痴漢がいるから」という、一番見過ごしてはいけない議論が抜け落ちたまま報じられていたからです。