4.自部署の人ばかりと付き合わない

なまじ部署の人数が多いと、ついつい自部署の人ばかりと付き合いがちです。

そうすると、いつも同じ人と付き合っているので、当然ながら考え方も固定化してきます。

岡田充弘『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)

また、一つの集団にどっぷりつかりすぎると、シガラミも生まれやすくなります。ひとたびシガラミに巻き込まれると、いろいろな方面で自由度を失うことになります。

さらにシガラミはその思想が強まると派閥へと変わります。そこまでくると異動やその後のキャリアに、大きな影響を与えることになります。

一方で、普段からいろいろな部署の人と付き合っていると、仕事上の新たな発見もありますし、いざという時に他部署の協力が得やすくなります。また、自ら率先して部署をまたいだ人付き合いをしていくことで、つられて他の部署間の交流も活性化していくかもしれません。こういったことの積み重ねによって、社内にシガラミのない爽やかな雰囲気が少しずつ醸成じょうせいされていくのです。

自部署の利益や人間関係を優先的に考えるのは会社員にとってもちろん大切なことではありますが、組織の壁を超えてもっといろいろな部署の人とも付き合っていくことをお勧めします。会社的に好循環が生まれやすくなりますし、何より社内における自分の適切な役割や位置付けの理解に役立つはずです。

会社以外のつながりも大切にする

1日の大半を会社で過ごしているという人は恐らく珍しくはないでしょう。さらに歓送迎会や社員旅行など、会社には仕事以外にも時間をとられる多くの交流イベントがあったりします。そうなると、会社の人との関係がプライベートと比べて深くなってしまうのも、ある程度仕方がないことでしょう。

しかし、会社は人生の一部であってすべてではありません。定年退職して初めて会社以外の人との付き合いがないことに気づくのも寂しい話です。

私は、多くの人に社外のつながりも大切にしてほしいと思っています。幅広いジャンルの人と付き合うことで、良い意味で価値観がほぐされ、自分が何者であるかを知る助けにもなるからです。

社外の人と付き合うことで、先々の転職に有利だとか、商売の可能性が広がるといったことも言われますが、自分自身と向き合えることの大切さと比べたら小さなことです。

スポーツの付き合い、趣味の習い事の付き合い、勉強会の付き合いなど、なんでもいいのです。いろいろなジャンルの人たちと付き合うことで、自分の価値観に広がりと深みを持たせることができます。

会社以外で心の拠り所を持つことで、仕事にも余裕が生まれてくることでしょう。人は他人の存在があることで、自分という人間をより明確に知ることができるのです。

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岡田 充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ代表取締役

外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)『ビジネスマナーと仕事の基本 ゆる図鑑』(監修)(宝島社)ほか。