バズるエンターテインメントのキーワード2つ
【原田】エアビーには民家だけじゃなくてホテル業者も参入しているから、完全に「人の家」ってわけじゃないんだけどね。でも、おしゃれな空間で友達とまったり過ごせるのが新しいというわけか。夜をどう過ごすか考えた時、これからはクラブで遊ぶより、こうした空間でくつろぐほうが主流になるのかもね。
【赤峰沙都さん】イベントだと、私の周りでは「におい展」が話題になりました。カメムシとかおじさんの足のにおいとか香水の素とか、普段はなかなか体験できないにおいを集めた展覧会です。東京でまた開催してくれたらぜひ行きたいです。女子高生に受けると思いますよ。
【原田】女子高生がおじさんの足のにおいをかぎたいなんて意外だなぁ(笑)。いいにおいならともかく、普通は臭いにおいなんてかぎたくないでしょ。どうして惹かれたの?
【赤峰沙都さん】足のにおい、知りたいですよ。友達の中にはにおいフェチの子も結構いるし、そうでない子もこわいものみたさっていう気持ちはあると思うんです。あと、友達と一緒に罰ゲーム感覚で楽しめるところもいいですね。
【福永くん】最近、五感に刺激を与えるイベントは人気ですよ。一昨年、東京で開催された「ブラックボックス展」も、僕の周りではすごく話題になりました。
【赤峰沙枝さん】デザイン教育番組「デザインあ」を体感できる「デザインあ展」も人気で、私の周りでもすごくたくさんの子が行っていました。
【原田】皆が惹かれるキーワードは「五感」みたいだね。こんなにさまざまな商品があふれていても、まだ知らないものを体験したい、感じたいと思っている若者は意外に多いということなのかな。
非オタクにも人気の末吉9太郎って?
【赤峰沙枝さん】あと「共感」も大事なキーワードかも。私は、今年は末吉9太郎くんが来ると思っています。ボーイズユニット「CUBERS(キューバーズ)」の一員で、彼自身がすごいアイドルオタクなんですよ。彼が作った「アイドルオタクあるある」動画は、最初にオタクの間でバズって、今では非オタクの間でも話題になっています。
【原田】少し前だと、柳原可奈子さんのネタ「あるある女子」なども若い子の共感を呼んで受けていたね。それが今はもっと細分化してきていて、その一つがアイドルオタクということなんだね。狭い範囲で共感を呼ぶ「ピンポイント共感」が成功して、ファン層が広がっていった好例と言えそうだな。
【赤峰沙枝さん】オタクの人って、共感したがるところがあると思うんですよ。一般の人にはあまりわからない、自分たちだけの世界観を表現してくれるのが末吉9太郎くんだったんじゃないかな。非オタクの人にとっても、自分とは違う世界観や新感覚が味わえるところが楽しい。今年はネットだけじゃなくて、地上波にも進出すると予想しています。