カフェイン系でも新たな商品が台頭
【丹羽さん】私は、今年は「ston(ストン)」が流行ると思います。カフェインやGABAを蒸気にして吸引する機器で、19年の12月に出たばかり。若者のカフェイン需要ってかなり大きいと思うんです。レッドブルやモンスターエナジーなどのカフェイン系エナジードリンクはすでに身近になっています。そのぶん少し飽きられているようにも思うので、ストンのような新しい商品か、逆に山田くんが指摘したようなチル系のものが受けるんじゃないでしょうか。
【原田】ストンはJT(日本たばこ産業)グループから発売された商品だね。ニコチンではなくカフェインを摂取するっていう発想が新しい。でも、世界的にはカフェイン離れが進んでいて、コーヒーより紅茶の需要が高まっているんだ。あのスターバックスコーヒーも、メニューに紅茶を入れたぐらいだよ。日本ではコンビニコーヒーが人気だし、カフェインもまだ根強い人気があるのかな。山田くんが挙げた「チルアウト」系と二極化していくのかもしれないね。
【丹羽さん】周りを見る限り、今のところはカフェインもまだまだ人気だと思います。ストンは蒸気で摂取するから、コーヒーやエナジードリンクより短時間で効果が得られるらしいんですよ。それに、タバコみたいに「吸う」アイテムなのに、ニコチンなどの有害物質が入っていないところも魅力なんじゃないかな。タバコをふかす姿に憧れてはいても、「体に悪いから」って敬遠している若者は意外と多いんです。
たばこ代替品の世界的な流れ
【福永くん】それはあるかもしれない。最近はニコチン量が少ない、またはゼロのシーシャ(水たばこ)も流行っているし、GABAを配合したチョコレートも人気です。たばこに憧れはあるけど健康でいたいっていうニーズは大きいように思います。
【原田】シーシャは若者の間で世界的に流行っていて、日本でもここ5年ぐらい人気になっているね。仲間とまったりしながら煙をくゆらせる、そんな「チル」なスタイルと、健康を害したくない気持ちを両立できるイメージがあるんだろうな。若者たちの「たばこに代わる需要」を、ストンはうまく捉えているように思ったよ。