新元号となり“令和”の時代を迎えて、働く女性の意識とビジネスファッションはどう変わっていったのか。あらためて平成を振り返り、2人の識者に話を伺いながら、分析します。

派手色スーツでキメた女性が闊歩した80年代

金ボタンが並ぶ肩パッド入りのボディコンスーツに身を包み、ウエストは太ベルトでギュッとシェイプ。ゴージャスなチェーンバッグを肩にかけ、ピンヒールでさっそうと歩く……。今では信じられないが、バブル全盛期の1980年代、こんな派手なファッションで通勤する女性が多くいた。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/JGalione)

「当時はデザイナーズブランドが大ブーム。女性だけでなく、肩パッド入りのソフトスーツで仕事する男性の姿も見られました。服飾史の視点から見ると、好景気ほど男性は男性らしく、女性は女性らしい装いになるといわれています。経済とファッションは緩やかにリンクしていて、景気の波とともに女性のビジネスファッションは少しずつ変化を遂げているのです」(共立女子短期大学教授・渡辺明日香さん)

今では揶揄されることも多いこの時代のファッションだが、働き方という観点から見ると、バブル期はポジティブで明るい時代だった。