外の知見を入れる土壌はできつつある

外部の知見を使ってアイデアを創出するオープンイノベーションは、すでにビッグワードになっています。

また、SDGs(持続可能な開発目標)やESG投資など、人類の進化、存続において重要なことを中期的な指標にしなければ、という課題もあります。かつては経営者の意志で決まってきた会社のビジョンが、社会からも投げかけられる時代になっているのです。

日本は製造業で成長し、平和で豊かな国になった反面、イノベーションには弱い部分がありました。けれど、だからといって日本の経営者がこの動きに鈍感だというわけではありません。過去の資産も生かし、比較しながら、新たな戦略をつくっていくときです。変化に順応できない会社は徐々に淘汰されるでしょう。オープンイノベーションによって、外の「正なる答え」「悪しき答え」のなかから、正しい答えを会社に生かしていくことが求められています。

いま、世界中で働き方改革のムーブメントが起きています。働き方の選択肢が一気に多様化しているのです。ただ、このムーブメントは、世界均一の結果にはならないでしょう。各国ごとに、その歴史的背景を生かしながら、変化していくはず。特に、日本はその色合いが濃いだろうと考えています。私たちは、日本なりの働き方改革の成功例を出していかなければなりません。

ここ数カ月で見えてきた新たな変化

副業・兼業、フリーランスなど、新しい働き方をしたい人にとっては、大きなチャンス。これまでの実践者は、どちらかといえば流れに身を任せていたら、いつのまにか新しい働き方に行き着いた、という方が多いように思います。たとえば出産や子育て、配偶者の海外転勤による移住など、さまざまな理由で会社を離れた人が、個人として声をかけられて仕事をし、成果をあげる。もともと能力が高く、謙虚で、活躍してきた下地があればこそですが、やむを得ず退職した先に新しい働き方があったという方々です。

それが、まさにここ数カ月、自らの意思で踏ん切りをつけてスタートを切る方々が増えてきています。彼らを見ていると、前向きに、そして徹底的に目の前にある仕事に取り組んできたことが、新しい働き方の潮流にのっていく準備につながったのではないか、と思います。